「おもしろ詰碁制作に参加して」




                                     川口隆司 記


井原さんの詰碁集を作ると、高野先生からのお話に
囲碁の勉強になると思い 取り組むこととした。
そしてほぼ半年に亘って私は詰碁に浸った。

まず、井原さんの詰碁問題の多さに驚いた。詰碁への経緯を伝え聞いていたから、
この短期間に何と500題とは。その種々雑多の問題を前にして、
高野先生が難易度別に5クラスに分けて すらすらと選ばれるのに、また驚き。
聞けば、詰碁の顔、相を見ただけで、詰碁の素質、難易度がピンとくるそうな。

作業が進む連れ、何よりも、答えづくりが大変だということが判ってきた。
狭い範囲でも、変化がいろいろとあり囲碁の奥深さを知ることとなる。
幾ら解けたつもりでも、表面にも表れない手も生じ、どういう訳か
次々と問題が根強く残っているのがまか不思議です。

私は未だ棋力も低く、碁の理解も少し高度になると難しいですが、
これだけ、繰り返し繰り返し推敲する作業には、私は傍に居て
詰碁の管理に携わっているだけですが、詰碁が解析され、キーボードを通じて、
筋・形の面白さというものが何となく伝わってきているのが解ります。

それが私にとって、やがて実戦に役立てば二重の歓びと願っています。

                               川口隆司 記

 
川口隆司さんは2年前の83歳の時、思い立ったが吉日と、碁の勉強を始めた。
趣味と言えば、マジックという手品。これが凄い!素人離れしている。



それまで、碁らしいことに直面するチャンスも無かったが、縁は異なもの、
わが碁吉会、風鈴会と、前向きに取り組み、2年間でメキメキ腕を上げられた。
その間、中国の「名人教授杯大会」にも参加。たいした大人物である。

パソコンにも精通されていて、このたび「おもしろ詰碁」の管理をお願いした。

几帳面で、粘り強く、このややこしい作業に取り組んで、2016年5月末から
10月中旬まで、半年になんなんとする長期間の精進に見事、完成を見たのです。

蓋し、川口さん無くて、おもしろ詰碁の成果はあり得なかった。
改めて、深謝する次第です。

                             高野圭介 記