第24回US碁コングレス・レポート


2008年8月2日〜9日

於 ポートランド州立大




会場のBallroom は明るく、かつ、広くて気分良く打てました。

                                            中田良知


今年もUS碁コングレスに参加しました。
イチローがアメリカへ行ったのと同じ
2001年からの参加なので、
8回目となります。

 開催地のポートランドはシアトルの
南約250kmにあり、
札幌とほぼ同じ緯度なので、
快適な気候でした。

ポートランドは6月に
バラの花のフェスティバルが開かれるため、
「バラの都」と呼ばれています。


ダウンタウン内の小公園で子供達が水遊び



大学の校名表示碑の前で


会場のポートランド州立大は、
ダウンタウンに近い街中にあり、

大学を囲う塀がないという
日本人にはめずらしい建物構成です。

また、
1960年代に都市再開発が行われ、
碁盤目の美しい街並みです。


さらに、
今年のコングレス参加者は500名を
越える新記録となりました。

 また、
建物の裏側は公園に面していて、
土曜日には朝市が開かれていました。

ここで、量り売りで買ったチェリーは
日本に輸入されるものの半値以下で、
かつ、おいしいものでした。


土曜朝市で、神戸の深山美代子さんと


公園で武宮九段とのツーショット



日本棋院から派遣のプロ棋士は、

昨年までの
テンコレ先生(中山典之六段)に
代わり、
武宮九段でした。



今回の
ディレクターの一人である根岸茜さんとは、
2002年のシカゴ大会以来の顔なじみです。

思わぬ再会に、
大歓迎してくれました。


茜さんとのツーショット


Ned Fhipps Joanne coupple

ネドは1981年アメリカ元チャンピオンです。


US 碁コングレスで、重見さんの仲介により、
Ned Phipps に会ってきました。
丁度ご夫妻一緒でした。

 
高野さんからの”よろしく”の
メッセージを伝えました。

実は、
お二人とも以前からコングレスで
顔をみかけている方でした。

特に、
奥様のJoanne は私の顔を認識していて下さり、
幸いでした。

高野さんのおかげで、また
アメリカ人との繋がりが広がりました。


碁吉会棋友の輝く足跡

重見健一さん(6Dan)

成績に関しては忘れてしまいましたが、
宿舎が相部屋だったので、
碁は元より、人生の考え方など、
大変有益な話を聞かせていただきました。

また、英語でも助けてもらいました。


真鍋益男さん(5Dan)

US Open で、○○○○○×の5勝1敗で
見事優勝されました。


バンケットにおける武宮九段との重見さん



メイン行事である US Go Open について報告します。


[対局結果] 第3位に入賞のメダル


 昨年の1勝5敗という惨敗から持ち直し、
本年は
4勝2敗(○○×○○×)となりました。

スイス方式の計算で、
1kyu クラス(全部で18クラス)の
第3位に入賞することができました。

なお、副賞の金券の額は異なるが、

メダルは
クラスや順位にかかわらず同じで、
これも幸いでした。



武宮との2ショット


対戦相手のDavid Frankelと


今回の好成績の理由は、
相手のポカに救われたこともありますが、
ラウンド6を除いて、若い人や
中国系のプレーヤーと当たらなかったことです。

それに、
90分という持ち時間に慣れ、
相手が長考しても
イライラしなくなったこともあります。

 ただし、
負けた2局は、高野さんの教えである
「棋力より気力」、「短気起こすな」に反しており、
まだまだ無限の進歩の
可能性がありそうです。



棋譜以降で、
中央の白石を直接取りに行ったのがまずく、
セキになってしまいました。

終盤近くなってフト数えたら、
盤面でも白が多く、大差での敗勢。

そこで、ヤケクソのコウをしかけたら、
相手がコウダテの処理を誤ってくれ、
思いがけなく大逆転の中押勝。

今年はツイテいると思いました。


第1回戦 棋譜


棋譜に対する前田六段のコメント

  ・B29:まだ小さい。
  ・B31:厚みを生かすため、
46へはさむべし


第2回戦


対戦相手のStephen Barberi と



第2回戦 棋譜


 前田六段コメント

  ・W18:左上85へコスミツケて、
まず生きるべし。

対戦相手は、初参加以来の顔見知りで、
落ち着いて打て、4目半勝。

黒は、中央の石を切られて
弱石を作ったのが敗因、
悔しがっていました。


定先でも勝てない相手なのに、
コンピュータの組合せは互先で、
私の白(相手が上のゾーンで2連敗し
、私が下のゾーンで2連勝したため)。

これで気後れしたのが第一の敗因です。
その上、
彼女のcut、then、push and pushに
やられてしまいました。

 昼食後、ご主人(5Dan)が
コンピュータを使って
着手を解析して下さった。

  ・W22:31へツイデ辛抱
  ・B27:緩手
  ・W93:102へ切っていい

 私の反省
  ・W40:45へ引いてガマン
  ・W102:103へノビ

 よし子さんのコメント

・W106:11−十三へ止められたら、
黒の負けと覚悟していました。


第3回戦 棋譜



対戦相手の郡よし子さんとは
約20年前の軽井沢サマー囲碁カーニバル
以来の知り合いです。


第4回戦 棋譜

 マズイ手もあったが、
前田先生から「弱い石がなく、
完勝ですネ」と褒められた。

 (10目半勝)



対戦相手のJeff Newmiller と



対戦相手のEdward Downes と



第5回戦 棋譜

 このプレーヤーも以前からの顔見知りで、
余裕を持って打てました。

中央下側の黒石を取られましたが、
右辺の地が大きくて盤面17目勝。


第6回戦 棋譜

 私の反省

  ・B33:考え過ぎで、単に34に抜き。

  ・B107:直接の敗着で、
109に打って、
まず生きておくべきだった。

 

対戦相手のChristpher So と