謹 賀 新 年

2011年元旦

                                                高野圭介




迎 春


瑞雲籠むるこの朝、めでたく初春を迎えました。
皆さまにはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

碁吉会もいよいよ30周年に向かって、第一歩を踏み出しました。
思えば、昨年、20周年の一つのエポックに、皆さまからのお祝いと共に
しっかりやれとのご叱正も戴きまして、
いよいよ気の引き締まる年を迎えた訳であります。


サムエル・ウルマン

Samuuel Wlman

 
ここに、
「青春とは心の若さである」を繙きました。

「Youth」=「青春訓」

「青春とは人生のあるきかんではなく、
 心の持ち方である。・・・中略・・
 頭を高く上げ、希望の波をとらえる限り、
八十才であろうと、人は青春にして已む。」


「どうってことない」=「It matters not」

「頭が白くても どうってことない
心と考えが若ければ
心の中に灯があれば
くちびるに歌があれば」



サムエル・ウルマン・Samuuel Wlman

詩集『八十年の歳月の頃から』より
(From the Summit of Years,Four Scores)




盤の上のポニョ


・・・ポニョは
丸い白と黒の
石の精・・・



盤の上のポニョ

                             2011年1月T日  高野圭介

年末のドラマ「坂の上の雲」を見ていた。

海軍の戦略について。日本海軍はワン・セットの艦隊を揃え、
その主力艦はロシアのそれよりも性能の点で優れていた。

ただ、ロシアはツウ・セットの艦隊を持っている。
一つは極東艦隊(旅順とウラジオストク)、もう一つはバルチック艦隊である。
これらが合流すれば日本に勝ち目はない。

従って、日本海軍の戦略は決まっている。両者の合流を許さず、

旅順艦隊に対する戦術について。
要塞で固めている旅順軍港に停泊するロシア艦隊を撃つことは出来ない。
誘い出して撃つしかない。

秋山真之は、出てこなければ、港の閉塞作戦を考えていた。

つまり「敵を湾内に封じ込める」「誘いに乗って、出てくれば撃つ」
「イーブンの条件で戦ったら、日本の参謀以下半数は戦死だろう」

秋山真之は戦術・戦史にない独自のものを開発して、
なんとか全ロシア軍艦を日本海に沈めてしまうこと。

この発想は、彼がアメリカに留学して、アメリカらしくシロウトが考えた
合理主義やアイディアに刺激されたことが起因している。

つまり、ものの考え方を「自分を自由にするしかない」
「型を磨くといった名人芸は要らない
「自分で考えついた(真似しない)どんなものだって、
発想の種になる」としていた。



ここから出てきた真之戦略は次の二つ。

真之は日本海海戦において昼と夜と新手の軍を順繰りに繰り出して、
敵を殲滅する自分流の「七段構えの戦法」を樹てた。

先ず、包み込んで、痛めつけて、寸毫も休む間もない攻撃!
これが恐るべき循環攻撃法「車懸かりの戦法」
常に敵を掩うように運動すること。

名将と言われる戦上手の人達・・真田幸村、武田信玄・・・の多くは、
一般の戦法を用いていると同時に、独自の発想に、
自信を持って対応し、強敵を倒しています。

真之も、この後者(掩うように運動する)のがT字型展開になったわけです。


打ち碁の作戦は自分流で打とう   高野圭介

 

八十路の坂





私もいよいよ八十路の坂を越します。

ともあれ、ゴルフでもテニスでも、もちろん碁でも八十の大台に乗ったら、
従来とは異なる歳に相応しい対応が要求されます。
今や、模索から実践の刻です。

一方、
心の青春は「歩歩跳」のリズムに乗って、
一歩一歩たしかに歩みたいと思います。

本年も一層のご指導を戴きたく、よろしくお願いします。