アホの部屋

                       2022年4月22日

                       高野圭介 記



 ここに「あほの部屋」という看板がある。




次男坊の雅晴が自分の勉強室に架けていたものだ。
「あほ」は阿呆と書く。
雅晴は後に京大経済学部から公認会計士になったが、
世に言う阿呆ではなかった。

でも、自分の部屋になぜ 「あほの部屋」としたか、
真意は分からない。もし、聞けば、
「あははh」とか「あほほh」とか言うぐらいかな。



   大石良雄が「昼行灯」と言われた。
ぼけさく・阿呆の代名詞である。
大石の「阿呆の真似」という素行は吉良討ち入りの
カモフラージュであったと言われる。


  


徳島の阿波踊りに「阿呆連」がある。
「阿波の阿の字は阿呆の阿の字」という



 浴衣の肩に染め抜いた「破れ傘」の紋様は、
結成以来変わることのない阿呆連のシンボル。

男性は頬かぶりをして提灯を振る、
豪快かつ奔放な暴れ踊りで「阿波武士の心」を伝えます。
女性は差し足も鮮やかに躍動的かつ華麗に踊り、
歓喜を表します。




 子どものときの喧嘩は口喧嘩。殴ったりはしない。

「阿呆が見~る、豚のケ~ツ、ブーブー」

と言って、尻を叩く。
学級対抗の集団喧嘩もあった。




「阿呆う!」と言われたら、
「阿呆に阿呆と言われたら、賢いのか、あほらし!」
と屁理屈で返したものだ。

「阿呆に法無し」「阿呆に付ける薬は無い」など言われるが、
英保さんという姓の人が居た。賢いのに、阿呆さん。

 世の中のことを面白おかしう詠んだ川柳がある。
これを阿呆のセリフと言えば阿呆。
まるで頓馬な頓智。味おうてご覧じろ。


景色より、トイレが気になる観光地

書き込んだ、予定がすべて診療日

デイサービス、お迎えですはやめてくれ

無農薬、こだわりながら薬漬

女子会と、言って出かけるデイケアー

誕生日、ローソク吹いて立ちくらみ

立ち上がり、用を忘れて立ちつくし

立ち上がり、用事忘れてまた座る


「自分も実感した」という方はごく普通の楽しい方。
否、楽しい阿呆に入れる。
喜ぶべきか哀しむべきか。共感して、
阿呆で生きている自分を慈しんで生きましょう。