AIは大型定石を簡素化している


川口隆司



 
史上の四大:大型定石

1図 大型定石と言われるものは江戸時代の花形・大斜定石がある。
快禅和尚の上塗りなどは遂に定石化されなかった。

2図 目外しからのカケも雄大なスケールで愛用されてきた。
それをAIは僅か六手で打ち切った形に取り替えている。

3図 昭和に入って、村正の妖刀は難解の筆頭格であっただけに
原型のままでは敬遠されて、早くから姿を変えて愛着されてきた。

4図 ナダレ定石は2目の頭をぶつけていく筋悪のアマの碁から、
この筋悪が案外面白いと小ナダレ・大ナダレと大流行した。
それが、AIの簡素化で、今なお変化中のようだ。


1図 (大斜定石)




2図(目外しからカケ)




3図(村正の妖刀)




4図(ナダレ定石)









2004年10月22.23日に打たれた名人戦第5局の解説である。

月刊碁ワールド1月号p.16より (評人不祥)

大型定石にせず、黒13とノビました。白黒ともに打てるでしょう。
黒15で利きを消しました。しかし、ここでサガる人は少ないでしょうね。
普通はサガらないで、左下を動いて打ちます。黒5を安定させば黒良しです。
黒17でも18か18の右にヒラク方が普通だったでしょう。
白18まで、布石が少し黒がおかしかった。