独創的詰碁の展開

                                            編集者 高野圭介記

詰碁着手記念日  
 碁吉会は桃山台にある井原さん別邸ので月例「いずみの会」を開催していた。
2002年の例会で、井原さんが詰碁講習会を持ったことがある。
その時配布された小冊子に記入されている。

「たまたま碁吉会のホームページを立ち上げるにあたり、
詰碁を考えてみようと思い立ち、3月23日にスイッチオンになった。
それから詰碁との日々が始まった。」
(その時の冊子から抜粋)

これが井原詰碁着手記念日とでも言えよう。

 OIKE  
 それから間もなく、2002年12月のこと。京都の山本三七子さんが、
京都の御池に碁会所を移転、開設された。

 それを祝福して、井原さんがOIKEの絵文字入りの詰め碁を作り、
碁吉会から額に入れて贈ったことがある。

 

O    I    K    E

                        

今も掲額されていると思うが、
詰碁とは無縁と思っていた人の見事な作品に驚いたものだ。

 雌伏期間  
 おそらく井原さんにはこの長い間に「詰碁を作る」という作業が
朝に夕に幾たびか試みられていたに相違ない。
この十数年は貴重な雌伏期間であったとしか思えない。

 2005年の頃、井原さんは毎朝5時から6時まで1時間に平均7題の詰碁に挑戦、
来る日も来る日も2年間で5,000題の詰碁を作った記録がある。

奇異に思われるかも知れないが、井原さんは詰碁の本は一冊も持っていない。
すべて独創である。アマとしては詰碁の天才を顕示されている。