囲碁クオヴァデス= Igo Quo vadis,

どこに打ちますか?=何処にか行き給う



                                     高野圭介


ローマ帝国におけるキリスト教徒への迫害は日を追うごとに激しくなり、
虐殺を恐れた者たちが国外へ脱出する事も当たり前になっていた。

ペトロは最後までローマにとどまるつもりであったが、周囲の人々の強い要請により、
渋々ながらローマを離れるのに同意した。夜中に出発してアッピア街道を歩いていたペトロは、
夜明けの光の中に、こちらに来るイエス・キリストの姿を見る。ペトロは驚き、ひざまずき、尋ねた。

Quo vadis, Domine? (主よ、何処にか行き給う/主よ、どこに行かれるのですか)

キリストは言う
汝、我が民を見捨てなば、我、ローマに行きて今一度十字架にかからん/
そなたが私の民を見捨てるなら、私はローマに行って今一度十字架にかかるであろう。

ペトロはしばらく気を失っていたが、起き上がると迷うことなく元来た道を引き返した。
そしてローマで捕らえられ、十字架にかけられて殉教したのである。

ペトロは死んだが、それはキリスト教の発展の契機となり、
彼はカトリック教会において初代のローマ法王とされている。

 


あなたはどこにどう打ちますか?


ペテロはローマに向かった。すべての道はローマに通じているのです。
Igo Quo vadis, はローマでは無いが、すべて棋理に通じています。
碁は好きに打つのが一番ですが、 棋理に則って打つのです。




                                  高野圭介

 
盤上での症状


棋理への処方箋

 1.
相手の地が大きく見える病気

 
厚みから遠ざかり、安全第一の策

2.
力を出してねじ伏せようとする病


嘘手無く、本手本筋に就いて打つ

3.
石が取られそうで怖い怖い病


逃げず、攻めは最大の防御なり

 4  
形に囚われて、敵に付いて打つ


前に打った石の意地を通す気概

5.  
攻め一本で、守りが疎かになる


アマは打ち過ぎ、プロは打ち惜しむ

 6.  
大本営作戦本部が弱將で混乱


全局作戦を立て、どこをどう打つか

 7.
アタリアタリで自分の首を絞める


味を狙って深慮遠謀策を図る

 8.  
攻められようと死のうと平気


碁の健康管理で、生きてナンボ

9.  
何でも先手が、足下の崩れ


後手の先手・いぶし銀の辛抱

10.   
見よう見まねで猿の真似


碁は自分の創造する道にあり