2040年の凄惨な囲碁界の様相

                                                高野圭介



 2010年8月6日午前午後と、老人会と子どもの会が交流会を持ちました。

子どもが30人ばかり集まりました。
子どもの要望に従って、竹細工、オジャミ作り、ビディオ、そして、囲碁、将棋まで参加しました。

心から手ぐすね引いて待っていた囲碁には3人。将棋には2人だけでした。
希望は頓挫です。先行きを案じています。

高野圭介記


30年後の日本の囲碁界の論調に出会った。
(2006年10月リリース)とあるから、今から4年前のオピニオンである。

私は全面的に荷担は出来ないが、傾向としては理解出来る。




  日本国内の30年後の囲碁界展望

某氏論評

私は先に「100年後の囲碁」のタイトルのページをリリースしたがこれは世界規模の話である。


囲碁事情


ここで論じるのは日本国内の30年後の囲碁事情である。
日本囲碁界は今、死活の岐路に立っている。
私は危機を感じて数年前から日本棋院などに警鐘を鳴らし続けているが、
プロ棋士や日本棋院は無関心のようである。
 
囲碁人口   
世界的には囲碁人口は増え続けている。
現在約4000万人と言われているが、
30年後には2倍の8000万人くらいになると思われる。

しかし日本の囲碁人口は過去数10年間減り続けている。

数10年前は1200万人と言われた日本の囲碁人口は、
現在の最新情報では350万人と言われる。
(あるいは、すでに、200万とも・・・高野記)

ヒカルの碁の影響でブームが過ぎれば元の木阿弥になったようである。

 囲碁社会現象  
このままで行けば日本の囲碁人口はさらに減り続ける。
高齢の囲碁ファンが死んでいくからである。

今までの減少を30年後に外挿すれば、
日本の囲碁人口は約130万人になってしまう。
日本の総人口の1%に過ぎない。

これだけ囲碁人口が減れば、社会現象となって来る。


凄惨な

囲碁界の

様相

@ 碁会所
碁会所 は来客が激減して経営できなくなり、潰れていく。


A 賞金
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新聞、テレビなどの囲碁タイトルの賞金スポンサーが降りてしまう。
つまり日本ではプロ棋士は賞金稼ぎが出来なくなり、
中国、韓国などに賞金目当ての出稼ぎを余儀なくされる。

しかし国際的にレベルダウンした日本の棋士たちが中国や韓国で
賞金を獲得するのは容易ではなく、苦戦を強いられる。

B 日本棋院  
日本棋院の大きな財源であった段位免状取得者は激減し、
碁ワールド・囲碁未来・週刊碁などの誌紙、
囲碁書籍の売行きも激減して、日本棋院は今でも赤字だ。

30年後は累積赤字は解消するはずもなく、
30年を待たずして、潰れているだろう。

 C 囲碁関係
囲碁関係で飯を食っている囲碁観戦記者、
囲碁ライター、囲碁教師がメシを食えなくなる。 

D プロ棋士

プロ棋士400人は国際的に通用する一部の
トッププロは外国に賞金稼ぎの出稼ぎが出来ても、

一般プロはテレビ出演などの仕事や、
囲碁教室などのアマチュア指導の仕事も激減する。

従って、日本は現在の400人のプロ棋士を
養っていけなくなるから、
プロ棋士の人数は激減する。

 

伊井国雄 
伊井国雄さんからの2004年の年賀状に近況が記されている。
要約で申し訳ないが、一部を紹介しよう。

「2004年2月に92歳になります。
病後を養いながら囲碁に明け暮れ、ともあれ無事に過ごしていますが、
やがてお迎えがくるようになるでしょうが、
囲碁に関してだけ衰えを感じないところがあり、不思議に思っています」


 

『文藝春秋』 

「九段が多
すぎるぞ」

 
伊井さんの卓見「九段が多すぎるぞ」は『文藝春秋』1990年9月号に記載されて
日本中に一大センセーションを巻き起こした。cf:高野エッセイ25.

呉清源は喝破した。
「プロともなれば、今の昇段規定からすれば全員九段になってもおかしくない」と、


この昇段規定は現在は正されて、改善されている。

プロの数字 

 2010年現在のプロの分布である。


関西棋院

プロ  115 九段  35

日本棋院

プロ  325 九段  74

 計

全プロ 440 九段  109


分かりやすく、大まかなプロの分布数字である。


関西棋院

プロ  100 九段  30

日本棋院

プロ  300 九段  70

 計

プロ   400 九段  100


 さて、

推測は


30年先のプロの分布状況はどうなっているのだろう。

また、私たちは現在プロとの接点は即かず離れず、随所にあるが、
今後、プロとのお付き合いはどうなっていくのだろうか?