厚い・・ということ

                                                  高野圭介

「厚い」とは 
「アツイ」とは「ウスイ」の反対。

1.形が厚い。少々働きが鈍いようでも、シッカリした形。
2.外勢が厚い。転じて「壁」という意味を持つ。
3.地合が厚い。形勢がの良い方を厚いという。

「手厚い」とはキズをピシャと打ち消すような手を手厚い、という。

「囲碁百科辞典」林裕著より

どう活かすか 
厚みをどう活かすかが最大の問題で、強力な厚みは怖い。
しかし、元来、地を伴ってない場合が多いから、過ぎるとアマくなり、アマサレる。

 厚いのは、星に三三と入って、活きたとき、趙治勲は活きた姿を「厚い」と言っている。

 たとえ鉄壁のような壁でも、僅かなキズがあれば、威力は半減する。



軽い石も厚い? 
 面白いもので、軽い石はカオスの世界のままで、形のない形である。

手を付けても、攻められにくい姿である。
私はそれはウスく見えても、厚いと思う。


 厚みに近寄るな
 
実戦で、模様形成のプロセスは模様の裏側を地に変える基礎工事の意味、と言える。
 したがって、模様から遠離るほど価値が高く、模様に近寄ってはいけないことを立証しよう。

「大模様はこうして勝て」苑田勇一著より

下図の二つは隅の石が堅固に活きているからこそ、
白、黒入れ替わっても、黒13から動いた7子は敗勢に導いた。


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厚み(模様・勢力)の
絶対的な認識

 

 厚み(模様・勢力)の絶対的な認識は攻めに使おうとか、何もしないかでなくても
威厳を以て無用の用を為していると思っている。

公案「隻手音声」・・・高野エッセイNo.318

 阿修羅の顔


美しい阿修羅は正義を司る神といわれるが、
帝釈天に歯向かった悪鬼神と一般的に認識されているところの戦いの神でもある。

厚みを思っていたら、なぜか?ひょっと、阿修羅が顔を出してきた。