石を持たずに考える

                                                     高野圭介



碁笥が泣いてる

すぐ打つな碁笥が泣いてるすぐ出る手    吉田 健

ボウクリ会(2010年12月23日)の碁句道会の入選句だ。

何でも、吉田さんの述懐では、
風鈴会の例会で、石を持って考えて、ピシャッとお叱りがトブ。
頭の片隅にこびり付いているのだが、それがどもならん・・・のだそうだ。

家田先生の話でも、プロの中で、形勢が悪くなると、
無意識に、碁笥をジャラジャラかき回す、ある九段が居るとか。

あれも人情、これも人情・・・アアア・・・ア

持ち石の弊害
対局中に石を持って考える癖は困ったものだ。しかし、これがなかなか直らない。

石を持つと、良いことは起きない。石の音が、カチカチ、じゃらじゃらと聞こえる。
落ち着かないで、気ぜわしくなる。

これを直すのがとても難しい。

井崎龍彦
かって、碁吉会に故 井崎龍彦という人が居た。

明るくて、とても碁が強くて、協調性もあって、これから・・と言うときに倒れてしまった。
そして、故人に。

 安保の闘士
井崎さんは 碁とのご縁は60年安保の頃、広島大学在学中、
執行委員とバレーボール部長を兼ねていて、遂に身体を壊して入院したときに始めた。



碁の世話になり、また、世話をしたり、碁が好きで、多くの人に普及したいと思っている。
碁は高級な遊びだから、楽しみながら打ったらいいと思っている。

 子どもの指導
 井崎さんの話だ。

囲碁教室では子供に怒ったことはない。
行儀のことでも余りうるさくは言わず、石の持ち方など、礼儀としてではなく、
「碁を打つとき、
決めてから石を持てば、強そうに見える。」と、教えてやる。
つまり、その人に合わせて楽しさを一貫してやっている。