棋風の玄奥を味合う

棋風って、ホントはどうなんだろう?

                                          高野圭介

 自信の棋風
苑田九段は「小林光一と武宮正樹とは同じことをやっているンだ」という。
つまり、前者は「地下鉄か潜水艦のように、しっかり減らぬ地を囲い込んで、
中の戦いに臨む」後者は「真ん中から打って大模様から時を産み出していく」

       

両者とも、
自信があればこそ大手を振って我が道を歩んでこられた。
これが同じことと映るというのは棋理に通じた人たちまればこそであろう。

 ワールドマインドゲーム
今、2011年に北京で、第1回スポーツワールドマインドゲームズ
SportAccord World Mind Games)団体戦が開催されている。
囲碁・シャンチー・チェス・チェッカー・ドラフツ・ブリッジの総合競技大会である。

大会には日本、中国、韓国、中華台北、ヨーロッパ、アメリカの6チームが参加しているが
団体戦は各チーム5名(男性4名と女性1名)。
ペア碁は各チーム1ペア(男性1名、女性1名)。

 三人三様の棋風
対局を比較しながら観戦していると「棋風の違い」がとても面白く、
山下敬吾・山城宏・坂井秀至・小県真樹・向井千枝の5人で、
ペア碁は山下敬吾と向井千枝が出場している。

どの碁も熱戦で、いくら時間が経っても飽きが来ない。
さて、日本vsヨーロッパ戦の山下敬吾・山城宏・坂井秀至の3局が
際立って一貫した棋風が現れている。

小県真樹・向井千枝の2局はそうでもないので、割愛した。

では次の3局を


いつものように

 ヨミ比べの結末



 互先 山下敬吾 vs 先番 タラヌ・カタリン
                      黒コミ6.5目出し

72手完   白中押し勝ち

黒が強ければ強い程石を取りに行く。
対する白が強ければ強い程、逆手を取ってねじ伏せる。

豪腕・山下のねじ伏せた勝ちっぷりは追従を許さない。

黒51で、外壁を補強して、眼を作らせたらまだ黒優勢ではないか
私は黒を持ちたい。そう思うのだが、カラスの勝手かもね。





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いつものように

一瞬の隙に一撃




 互先 山城 宏 vs 先番 クリスチャン・ポー
    
         黒コミ6.5目出し

87手完   白中押し勝ち

黒の大上段に、セッセセッセと実利に付く白。
地など構わずに大きな地模様の黒。
アッという間に、黒が破れてオワリ名古屋となった。

白が76へ飛び込んだりせずに、77にじーっと這い込んでおれば
私は黒を持ちたい。いや、地が足りないから、ダメだ。
ああ、笑われそうなことを口走った。やはり白が優勢なのか。
おお、口は災いの元、もう、取り消しも出来ないか?





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いつものように

燻し銀の棋風




互先 コーネル・ブルゾー vs 先番 坂井秀至
                   黒コミ6.5目出し

150手完   白中押し勝ち

白黒共に右四つの組み手はどこで、白が追いつくのか?
黒のいぶし銀。白の二枚腰という進行は平行線のように見えた。

果たして中の纏まり具合はと、見ていたら、
黒石が無ければキズも無いのに、中は黒石の数も多く、キズも多かった。
結局は、キズをチクチク刺されて、おお、ワンラ。
黒127中央ツケ辺りで、上辺のキズの手入れぐらいでは足りないのか。

打ち過ぎて負ける、、の教訓




 

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