ミスディレクション
【misdirection】

                                                               高野圭介


ミスディレクション 
ある秘密の動作を、気づかれないように行う場合、
何らかの方法でこれをカバーしなければ、ならない。
これが 「ミスディレクション」と呼ばれるものである。

 ミスディレクション(misdirection)とは、直訳すれば「誤導」ということだが、
その意味は、「相手の視線・注意力・推理力などを、誤った方にそらせ、
実際に起きていないことを、起きたと思い込ませるテクニック」である。

 このミスディレクションは、現代マジックの重要な要素の一つとなっており、
これなしにはマジックは行えないのである。 

マジックにのミスディレクション   
 マジックにおけるミスディレクションは、大きく分けると次の二つがある。

@フィジカル・ミスディレクション(physical misdirection)

 フィジカル・ミスディレクションとは、動作、色、形、音などで、
相手の感覚器官に働きかけ、注意力をそらすことで、
これは、相手が情報を外界から取り入る段階でだますものである。

Aサイコロジカル・ミスディレクション(psychological misdirection)

サイコロジカル・ミスディレクションは、
相手が外界からの情報を分析し、判断を下す段階で、
注意力、思考力を間違った方向にそらすものである。

cf:高木重朗著 「魔法の心理学」

 ミスディレクションのやり方
もともと手品のテクニックの一つで、観客に見られては困る場所、
つまり秘密の動作を行っている場所から、観客の目をそらさせるためのものです。

簡単なところでは、
手品師が右手を前に突き出していれば、観客はその手に注目しますよね。
そのスキに秘密の動作をこっそりと左手で行う、といった感じです。

 

On Line Puzzle


直径を求める



これはパズルであると同時に、
マジックでよく使われるミスディレクション(misdirection)の例です。

ミスディレクションの名言 
「マジシャンはひとりで演技をしなければならないが
私はミス・ディレクションという助手をつれている」


ジョン・ラムゼイ(John Ramsay:1877-1962)というミスディレクションの名人の言葉。

石川啄木   
何となく自分を嘘のかたまりと 如く思いて目をばつぶれる

                                      石川啄木

碁のミスディレクション
こういった一連のミスディレクションから、
碁にはどういう局面なのだろうか?と考えた。

つまり、ミスディレクションという言葉通り
プレイヤーを誤った方向に誘導するためのテクニックって何だろう?


碁のミスディレクション 

入門クラス
「トントン」 「ウッテガエ」 「コウ」

「フリカワリ」 「両アタリ」

 
実務クラス
 「シメツケ」 「墓形」 「中手」

「鶴翼の構え」 「両コウ」

相当高度な手法
「天王山」 「石の方向」 「石の下」

「万年コウ」 「両先手ヨセ」

手法のトップ
「耳赤の手」
にとどめを刺す