ポンヌキ・ボンヌキ





                                                   高野圭介

 タメとダメ
読売のコラム・編集手帳に阿刀田高自作の狂歌がある。
斯う
「世の中は澄むと濁るの違いにて、タメになる人、ダメになる人」

こりゃ面白い。

 ポンとボン
碁を打っていて、4つの石で石をポンと取る、
これはいかにも気持ちが良い。ポンヌキとはよく言ったもの。

「盤上は石のくっつき具合にて、ポンになる石、ボンになる石」

ポンヌキ30目(Pon-nuki is worth 30 points)と言われ、
ポン抜きは最高の好形。ボン抜きはつまらぬ愚形。
一個の石のクッツキ具合から、良くも悪しくにもなる。




ポンヌキ                             ボンヌキ


 
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ポンヌキの大きさ
碁の打ち方から見れば、隅から打ち始め、辺に向かい、
中央が決戦場となるのが一般的である。

**A B C D E F G H J **
09┌┬┬┬┬┬┬●┐09
08├┼┼┼┼┼●┼●08
07├┼┼┼┼┼┼●┤07
06├┼┼┼○┼┼┼┤06
05├┼┼○┼○┼┼┤05
04├┼┼┼○┼┼┼┤04
03├┼┼┼┼┼┼┼┤03
02├┼┼┼┼┼┼┼┤02
01└┴┴┴┴┴┴┴┘01
** A B C D E F G H J**


しかし、このポンヌキの大きさを比較して見れば、隅より辺、
辺より中のポンヌキが価値が高い・大きいと考えられている。

  合理的に勝つための「布石の打ち方」高川秀格著
中央の威力p.8より

碁のパラドックス

黒が天元に打ってから、
白が天元にくっついて、
黒がどんどん手抜きするのだが、
すいべておかしい!

「ツケたらハネよ」「ハネたらノビよ」
「一目でトラスな」「ノビの一手」

黒の動きは
格言に反する、
いわゆる悪手の連続
である。


とは言え、やはり
天元の天衣無縫のポンヌキは
40目~50目もあるのだろう。



高野エッセイ162より
essay-goparadox.html

 

 




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