「プロボノ」と「ボランティア」

                                                 高野圭介

ボランティア 
「高野さん、天井川、河川敷公園の水やりボランティアを手使どうて」

「年がら年中、時間を決めて・・というのは苦手や。
囲碁を通じて社会奉仕というのは厭うことはないんだが」

「えっ」

「碁のことなら、何なと、ボランティアが出来るんだが」

やがて、地元の「須磨離宮前倶楽部碁友会」とか
「デイサービスはなやぎ倶楽部の囲碁ゴランティア」などに挺身した。

子ども囲碁教室 
そう、思い出した。

子ども囲碁教室というボランティアをやっていた頃、
中野さんという人が一人の身障者の男の子を連れてやってきた。
どうも、身障者の、特に子どもの扱いが難しい。

養護学校の教諭をしている福本伸男さんに相談したら、
やはり、身障者に不慣れな人は難しい、まず慣れてからという。

思いだけでは出来ないこともある。




 「プロボノ」


折しも「プロボノ」という言葉がテレビから流れてきた。聞き慣れない
「プロボノ」という言葉。

“プロボノ”とは、社会人が、仕事を通じて培った知識やスキル、
経験やノウハウなどを活かして社会貢献することを意味する。

“プロボノ”とは、
ラテン語でPro Bono Publico(公共善のために)を略した言葉で、
社会人が、仕事を続けながら、いまの会社に所属しながら、
「月に数時間」「年間で数日」といった時間を決めて、
自分の時間の一部を効率的に活用して社会貢献に役立てる
きわめて現実的な手法であるという。


ポジティブな
フィードバック


身をもって挺身するボランティア、お金を寄付行為する社会奉仕。
あるいはNPOなどの社会貢献活動にも活かすことができる
エッセンスなどを含んでいることもある。

しかも、
“プロボノ”は、ただひたすら社会のために“奉仕”するばかりではない。
むしろ、自身の仕事へのポジティブなフィードバックをも期待できる。

 囲碁慰問団
かって、
第2次世界大戦の最中、大政翼賛会の戦争に荷担し、
協力をし得ないのは国賊であった。

囲碁の棋士たちは「碁を打って、国難に当たろう」と決議し、
棋士達を戦争最前線に慰問団として送り出した。
これも囲碁というスキルの“プロボノ”であったのか?