正確無比のヨミ

                                       高野圭介

 正確さが違う  
たまたまごゴルフでご一緒した方が、理に適って無茶うまい。
シングルも良いところ、プロ並みだ。でもプロでは無い。

プロとどこが違うのか?と聞けば、「正確さが違う」という。
例えば、アプローチ。プロならグリーンに載せるだけなら100%狂わない。
ピンポイントを狙って狂うだけだそうだ。

              
 
 ゴルフのスコア   
では、ゴルフで、ロボット(コンピューター)と人間は
どちらが良いスコアが出るだろうか?を空想してみた。

ティーショットとかアプローチはロボットの方がメンタル面を無視して、
確実なショットだろうと想定できる。
 しかしパターとなると、指先の微妙な感触が、ロボットは
人間たり得ないのでは?
と疑問視してみたが、どうだろう.。

 正確な写真  
ふと写真と絵画の、時系列から見た正確派肖像から
印象派自然へ
の移り変わりを思い出した。

宮廷画家は肖像画を画くのが主で、
威厳を保った王様、お嬢様の見合い用の肖像画などであった。

だから正確はもとより、
その目的に合致した雰囲気を醸し出す腕前が必要だった。

          

 印象派へ  
1827年に写真が発明される。写真は瞬く間に改良されて
肖像写真として利用されるようになる。

正確に描写するだけなら、
絵画より写真の方がはるかに正確で安価で納期が早い。
写真が普及し始めると宮廷画家たちの場が薄らいできた。
画家の存在意義。ここに、印象派の登場となる。

1874年にモネ、ドガ、ルノワール、セザンヌ、ピサロ、モリゾ、ギヨマン、
シスレーらが私的に開催した展示会は、絵画が総花的な写実でなく、
部分を印象的に強調する手法が出てきたのだ。

後に第1回印象派展と呼ばれるようになる。

 お城碁
碁のヨミの正確さは言うべくして難しい。

アマとプロの差は、まず盤を見る眼が違う。部分のヨミが違う。

その昔、お城碁で名人碁所の戦いは
一局の碁を何日も何ヶ月も打ち継いで打たれたと聞く。

打ち掛けになったとき、棋譜を持ち帰って、弟子達の検討結果を
次の盤面に反映していく。つまり門閥のヨミ比べでもあった訳だ。

          


より正確に

より早く

より深く


現今では、門閥もなく、一日打ち切り制が定着し、
更には持ち時間も短くなっていく傾向にある。

碁のプロは素晴らしい筋に則って、より正確に、より早く、より深くという
ヨミのスピードの戦いにもなってきた。