「おぬし 出来るな!」と、褒め殺し 高野圭介 |
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加藤芳郎にとって、理想の社会とは何か? それは、人々それぞれが自分の趣味に活きようとする社会である。 ・・・「加藤芳郎の世界」・・・鶴見俊輔 |
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加藤芳郎の「千匹の忍者」を見ていて、 初対面の対局に際しての心構えというものに想定した。 私は、ハタと、膝を叩いた。 私の大好きなテレビ番組「お江戸でござる」もすぐにバレるいたずらをする。 もちろんすぐバレて、素直に頭を掻き、相応のペナルティを払うのだが、 何か自分の本質を客観的にみているようで、楽しくてならない・・・。 |
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手の内を知らぬ相手と打つとき、相手に白を渡して、 「おぬし出来るな!」と持ち上げ、褒め称えて、 褒め殺しになっても良いから、気分よく打って貰う。 運良く勝っても、自分の反省に終始するのが気分が良い。 |
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千匹の忍者 加藤芳郎 より |
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碁が「勝つ」という目的ならば何をしても良いというのではない。 煙草の煙を吹っ掛けるとか、面白いことを言うて相手の気勢を殺ぐとか、 スカンク作戦など、盤外の作戦を考えたいのも分からぬでもないが、 そこは武士道! 正々堂々と死地に赴く気持ちで盤に向かうのがよい。 |
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千匹の忍者 加藤芳郎 より |