囲碁・異次元空間


                                         高野圭介


ゲームの造詣
谷岡一郎先生(大阪商業大学学長)は闊達な活動家で、
我が碁吉会によくご参加いただく、水口藤雄・大沢永弘先生らの
日本遊戯史学会会員の一人、ことゲームに関する造詣が深い。

過日、碁を一局お手合わせいただいたところだ。
ふと、NHK.TVから先生の声が流れてきた。

パチンコ依存症
パチンコ依存症のお話である。
パチンコなどの面白さについ、嵌り込んで、家を顧みない。
そのために、家庭崩壊の危機に直面している人が多くなってきた。
といったことに対する処方箋はないか・・・。

そのような問いに対し、何でも、過去に余り遊びの経験がなくて、
あるいは単純な生活にすることが無く、
異次元空間の新しい面白さに誘い込まれてしまう。
そこに、問題も起きそう。

それに対する処方箋は・・・と、言ったことだった。

囲碁依存症
私は囲碁依存症というものは無いだろうか、と考えた。
あるある、いっぱいある。

私もメールのアドレスを
kono.55gors@nifty.com と名乗っているが、
この gors こそ「碁が好きで好きで困る」というウィルスの名称で、
しかも私が本家本元なのである。

gors の光源
どっぷり碁に漬かり方は相当なもので、人後に落ちないと、自負している。
gors の光源として、
碁と碁の周辺の桃源郷に身を置いているのである。

パチンコと囲碁の違いは射幸性(ギャンブル性)であり、
賭け碁はパチンコの親戚である。
幸い碁吉会は賭け碁を禁じており、その心配は無いだけだ。

五次元空間
マサチュウセッツ大学のランドールが宇宙物理学の分野で、
1997年、五次元空間の存在の仮説を立てた。
ブラックマターとも言うべき、この五次元宇宙。

われわれの縦・横・高さ・という三次元。
それに時間を加えた、四次元。

さて、見ることも、立ち入ることも出来ない世界。
五次元方向への時間、と言うか、
我々とは全く別の世界が存在する。

囲碁・五次元
ところで、碁がどんな桃源郷か、どのように異次元空間か、と問えば、
入り込まないと分からない、と言うだけで、やはり異次元だ。

一般に、縦横高さの三次元に時間が加わったら、四次元。それに
囲碁のジャンルが五次元となると、分かりにくいというのが当然で、
我々にはふっ消えてしまい、門外漢にワカレ!と言ったって、
そりゃ、無理というものだろう。

ウラヤマシイ!
gors に罹り、囲碁依存症の真っ只中にいる私たちを何も解らぬ人が、
外部から、陶酔する桃源郷を「ウラヤマシイ!」と見えるかもと、
勝手に推測したりして、胸を張ることもあるが、

同病相憐れむところの同好の友人たちと肝胆相照らす
生きざまそのものと、甘んじて観念している。