碁も道草が楽しい

                                     高野圭介

ネット囲碁対局

  vs  

旅は道草
細川護熈元首相が悠々の生活を
白州正子との回顧をテレビで報道していた。

「旅によって白州さんは形づくられ、そのことが私たちを旅へと誘う」
白州正子は旅の達人であった。曰く、野・山・釣り・五百羅漢・旅行・・・
「旅は道草が楽しい」。

 
確かに、学校帰りの道草、仕事終えて、帰宅前の道草もあるが
地図にない道を行くことや、カーナビには入っていない道を走ること。
大まかな道筋だけで何ヶ月もかけて世界一周をしたり、
感性の赴くままの旅はすべてが道の探訪であり、道草である。

碁も道草
碁も道草が楽しい。ピカソの青の時代、赤の時代ではないけれど、

普通の「石立て」だけで満足しないで、
三三・星・五の五・から天元と、
いろんな碁の道草を試みた。
他に、碁の周辺、大会の持ち方、碁の道具などを模索する楽しみもある。

ネット対局
このたび日本棋院がネット対局「幽玄の間」を導入し、
関西棋院も「タイゼム:Tygem 囲碁」のネット対局を立ち上げた。
共に韓国主導のネット碁で、インターナショナルな色彩を濃くしている。

日本のネット碁
私はこれまでに「碁NET」[サンサン]「パンダ・ネット」「囲碁倶楽部」
「将碁友の会」
といろいろお世話になっている。

中でも「パンダ・ネット」は「IGS」の日本版で、私のアメリカの親友・Tweetが
立ち上げたもので、インターナショナルNo.1を自負している。

タイゼム対局
さて、このたびの「タイゼム対局」は2006年4月にお目見えの
新進ネット碁なのだが、打ってみて、二.三気になることがある。

それは「碁の道草」を一切排除したと言って良い。
何と気ぜわしい対局であることか。
つまり、碁をたくさん打つには最適のネットなのである。

ひょっとしたら、若者向きなのかもしれない。

関西棋院のネット碁


早碁中の早碁
対局条件は打ちかけて初めて分かる。打ちながら、読み取っていくのだ。

「持ち時間15分。30秒秒読み3回」早碁中の早碁である。これが普通のようだ。
どこで対局条件が決まったかが分からない、仕組みになっている。

不思議なことに、組み合わせ前に、条件提示のときがある。
いつそうなるのか、分からないが・・・そのとき、「30分」と要求したら、
「長考」と表示され、ぐづついている間に、対戦相手は姿を消す。

私たちの普段の碁は、新聞棋戦碁でも、大会でも持ち時間40分ないし45分が
常識であるのに、
余りと言えば超早碁の世界だ。

動体視力の衰えの目立つ老人には不向きの世界!


早い勝負
麻雀でいうなら「東東回し」。
勝負が早く決まったさえ良い、といった感じである。
早く決まって最高の博打はサイコロで、丁半で、一発勝負。

「もう一局!
だから、一局済めば、すぐ「もう一局!」と殆ど催促がある。
未だ4局しか打ってい。4勝1敗で進行中。

1敗はクリックしたマウスの先がピッと、左上に動くので、一間トビがケイマに
なってしまう。これを3回やって、遂にダウンしたものだ。

道草の楽しい碁を
碁は勝負を争うもの。しかし、
もっと ぎすぎすしないで、道草のある、
楽しい碁を志向したい
と、思うのは私だけだろうか。