この、グリーンを好きと思え

ー物事の成就には
好きになるという伏線があるー

                                  高野圭介

タイトルを
ゴルフの「パターは金なり」は碁の「ヨセ勝負に競り勝つ」である。
パターもヨセも神業とも言えるほど強くならなければタイトルは取れない。
分かっているのだが、どちらもとてもいやに難しい。


金言がキラリ
「パターに強くなるには、グリーンに上がったとき、
おお、このグリーンは大好きだ。これは入る!
と思うことだ」
というのです。

どこで見たのか、何に書いてあったのか、それさえも分からない。
氾濫する情報の中から、金言がキラリと光っている。
それが、
どこかに残り、うづ高く盛り上がり、
やがて自分のものに同化していった。


何と、優勝!
2006
8月の良き日、
この金言を引っ提げて、私は44人のコンペに臨んだ。
台風の最中であったが、風はともかくも、酷暑は避けられた。
大好きなOB もなく、16番ホールまで、90 を切りそうな雰囲気で来た。

終いに、バンカーに捉まり、出すのに4打叩 いたから、95となり、
とっくに諦めていたら、何と、優勝してしまった。

 
好きになる
「好きこそものの上手なれ」
と言われる。
これは上手になったから好きになったとも取れるが、
そうじゃない、先に、というか、まず、好きになることだ。

意のままに
グリーンに上がったとき、
「このアンジュレーションは難しいな」と思う前に、
「おお、このグリーンは入りそうだ。
私の好みのグリーンだ。
大好きなグリーンだ。さあ、入れるぞ」
と、
心から思うようになっていた。

不思議と、グリーンは意のままに?とはならないが、
パターの感触が手の内に入ってしまうのだった。

好きになって
碁も
その局面、その局面をどんなに苦しくても、好きになって没入しようと思う。
この一手が自分の大好きな、好みの正着と信じて、打ち続けたいと願っている。