「碁友・大工原 磐さんを悼む」

2011年3月28日

                                                碁吉会会長  高野圭介

 
 このたび大工原さまの訃報に接し、胸を痛めています。

 思えば、神戸市シルバーカレッジの同窓で、風鈴会で共に碁を打って遊んだ仲です。
したがって、もう15年とという永の付き合いとなっています。

先に黒田礼子さんを亡くし、今度は大工原さんが逝かれました。

大工原さんはもの静かで温顔を絶やさず、自己を主張されない穏やかな人でした。






大工原さんは川柳が大好きで、、、恒例年末ボウクリ会の碁句道句会での入選句。

 2002年
お手手つなげば強よーい壁ちゃん     大工原 磐

 2004年
 どうどうと中に打ち込む憎い白      大工原 磐

 2004年
ボケ防止碁盤見つめてにこにこと     大工原 磐

 2005年
急所の手やたらと石が光ってる       大工原 磐

 2006年
孫が来て碁石パズルにばらまかれ    大工原 磐

 2007年
活きた石忘れた頃に眼は一つ       大工原 磐

 2010年
捨てた石魔法のように利いてきた     大工原 磐



父は家の内でも、もの静かで、優しい人でした。

石をばらまいた子は私の子で、4歳と7歳の悪戯盛りでした。
いつかは、お祖父ちゃんに碁を教えて貰ったらと、思っていましたが。

皆さまに感謝申し上げます。
                                  昌子




2010年年末のボウクリ会で、大好きな碁に熱中の大工原さん




 大工原さんの棋譜(碁吉会のホームページ)

2007年3月19日
橋口美香先生の3子局指導碁


一局の分岐点

 2008年1月14日
 風鈴会 6名全員の 初春連碁


「碁を考える」・・「囲碁哲学の追究」に

 2008年1月28日
橋口美香先生の3子局指導碁


手厚く打てたまま、打ち掛け

 2009年1月19日
丸山富治先生の3子局指導碁


プロ感覚を垣間見た一局





グレードの高い遺譜があります。
ここに霊前に贈りまして、心からの供養とさせて戴きます。

合掌



2011年1月17日 丸山富治先生の3子局指導碁

遺譜  大工原さんが新境地を開いた白眉の一局。

本局は平素の精進の賜で、すでに高段の芸が滲み出ています。
本人自身、念願の高段の味が味わえて大満足。 大喜びでした。







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