Prevaling GORS

                         高野圭介


 古来碁は江戸時代から碁狂といわれ、関係者から敬遠される
  輩もいた。その発生原因が掴めぬまま、碁の隆盛と共に、
碁興の中に埋没されていたものである。

 かって日本棋院の機関誌「棋道」に
「碁狂列伝」なる読み物が連載されていた。
私も三木正氏の筆によって、「棋道第65巻」1989年刊に
栄を担って登場した経緯があった。

 曰く「高野さんの碁狂ぶりはこれまで連載の人たちに比べ、
どんな位置を占めるのであろうか。一つはっきりしていることは、
今回に限って狂が狂を書いているということである。
筆者(三木)は[棋道1989年2月号]に碁狂列伝の
一人に加えられる光栄に浴した。
狂に狂といわれる高野さんはまことに正常な人、
ということになる。(中略)風狂の心にそそのかされ、
これからどこへ行かれるのであろうか・・」と。

 20世紀後半地球上には、AIDS、 SARS と世紀末的なウィルスの
冒す流行性の病気が蔓延するにあたり、その筋では
「仮称・碁吉症候群」を解明せむものと、研究が続けられていた。

 遂に、この2003年4月8日(お釈迦さまの誕生日)に、研究者が
「碁吉憲章第三章」にある「侵されない」という
文字の中に潜んでいた GORS VIRUS を見つけられた。
恰も「ひかるの碁」の佐為が碁盤のシミの中に潜んでいたように。

 因みに、その筋の人たちはその発見者である研究者こそ、
ひょっとしたらK.K氏かも知れないとの憶測も呼び、
そしてK.K氏は GORS VIRUSに冒されていないかといぶかり、
正体不明のままその病を「仮称・碁吉症候群」と呼んで
怖れる向きもあった。

 哀しいかな!まだ GORS VIRUS の DNA は明らかにされていないが、
浜辺氏の報告書は当たらずとも遠からず一口に言って
「碁が好きになって困る」というもので、もちろん個人差はある。
あると言うより、その差は相当な開きのまま
蔓延(prevailing)しているのが実情である。
 
ここに Comical に核心を衝いた報告書を推薦します。