GORS VIRUS
                           高野圭介

 2003年5月23日の宵、アメリカの気象衛星ゴーズ 9号が
老朽化した日本の”ひまわり”の代わりに日本に衛星からの
気象情報を送っているとテレビで放映された。
 
待てよ、ゴーズはGORSかな?と思った途端、
かの忌まわしいAIDS、今を恐怖のSARS、
そして「碁が好きになって困るという病気のウィルス」
GORS VIRUSに思いを馳せた。

私は碁吉会の殆どの方に感染して蔓延している何ものかを
ゴーズ・ウィルスGORS VIRUSと命名していたので、
衛星と同名とは知らなかったので驚いた。

 すなわち浜辺荘さん提唱の碁キチ症候群についての研究論文を
紐解くまでもなくGORS VIRUSこそ碁キチ症候群であろうと
推定し、確信したのである。

 GORS VIRUSの特徴としては碁石が頭の中を駆けめぐり、
自分の大石が頓死した夢を見ては熱がでる。
それも生やさしい熱ではない。38℃以上の高熱だ。
また強力伝染源者:Super Spreader からは接触しなくても、
飛沫伝染どころか空気伝染であっという間に伝染拡散する。
 
〜〜碁の空気伝染には格別の挿話がある。〜〜
 
かって橋本宇太郎先生、宮本直毅先生、芦田磯子先生が
ご一緒に故郷山崎に来られたことがある。
 磯子先生が誰かに「碁は空気伝染するんだよ」と言われたら、
誰かが「えっ本当!空気伝染?」と言った。
「本当だよ。直毅先生に聞いたんだから」と答えられた。
側の直毅先生が「そうだよ。プロと一緒に居るだけでも強くなれる」
そして「これは宇太郎先生から聞いた話だよ」
そこで側でにこにこしながらことの成り行きを見ておられた宇太郎先生は
「あはは・・そうですよ。いま皆様は強くなっておられるんですよ」

 そもそも碁吉会こそGORSのSuper Spreader と自負していたが
昨今ヒカルの碁にも伝染し、
Super Spreader の座を与えているのではないか。
 碁キチのGORS症状を観察するに、長い年単位の潜伏期間から
第1期が始まり、最後は第5期まであって、最後の第5期は
「願わくばあの世まで碁器を持って行けないものか」
と妄想に駆られるというものだ。

 さて、本年2003の4月1日に発表されたのが、
ある幸福論の学者がGORS感染者こそ、
一も二もなく
Paradise 随一と折り紙を付けられたそうな