第36期碁聖戦第4局・観戦記


互先 羽根直樹 挑戦者 vs  先番 坂井秀至碁聖

265手以下略  白6目半勝ち

   

残暑お見舞い申し上げます。

今日、8月18日は待ちに待った第36期碁聖戦第4戦。
 しかし、午前中はゲートゴルフとテニスのダブルヘッダー。
昼食時に午前中の進行を一気に見た。



                                            高野圭介

序盤
前の第3戦は、坂井碁聖が始めからシノギ勝負とは聞こえは良いが、
サブマリーン(潜水艦)戦法で、勢いが感じられなかったので、
為すところ無く終始してしまった。

序盤、黒55手まで、堂々たる進行は逡巡するものがない。
勝負はともかく、胸のすくような快調を感じさせられる。

今村俊也解説者は「細かくなりそうな展開です」と、
当たり障りのない評であるが、

「大局的には白は負けているかも知れないが、黒は負けていない。」
私はそう思っている。

 白の鬼手
黒81は左辺を打ったが、上辺黒からのハネツギ。
下辺白からの三三活きが大きいと思っていた。

 ところが、
白82が三五ハイコミとはオドロイた。大きく活きだ。

白の鬼手に黒87手苦吟が続く。


黒はここを先手で巧く切り上げた後、左辺中央の白2子をどう攻めるか、
局面打開が焦眉の急となってきた。 

 白 優勢
白92から黒95トリキリ白96トリキリまで、
3ヶ所の急場を巡ってのやり取りは、白、自在の打ち回し!

無念
黒は後塵を拝した。

地合においては黒がやや勝るが、
白100と、中央経営の意思表示で、
コンピューターが中央の白の厚み分だけ白優勢と伝えてきた。

辛抱に辛抱
黒111は私は天元の右上のカタツキを予想していました。
 なるほど、手堅い一手と感心しました。

ただ、アマならば、非勢の黒119では渡らずに、
中央からノゾキを打って、火を振って打ちそうなものと思ったが、
プロの字引には無いのだろう。ここのところ、黒は辛抱に辛抱。

中が厚い
 中央に結構な地が付きそう。
 中が厚いということは、このような強烈な影響があることを
記憶に留めねばならない。

 黒に残るのを祈りつつ後はこの壮絶なヨセ合いを見守るばかりである。




再検討
8月19日早朝、独り検討してみた。

白56右上トビツケの時、
白82鬼手を打つチャンスを白は窺っていた節がある。
白は、しっかり対応しながら、先手を取って局面をリードしている。

黒が白82鬼手を予知していれば、黒73で、82に備えて、右下を確定させる。
この辺り、白の構想が一歩竿灯を行っていたのでは。


羽根恐るべし!


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