ご挨拶


                   2018年10月22日

                         高野圭介

 本日はようこそお越し下さいました。
私の米寿ということで、
真っ先にご参加戴いたことに厚くお礼を申し上げます。

 私の同時代の人で、小田実という人が居ました。
世界を無銭旅行して『何でも見てやろう』という本を書いた人ですが、
それに魅せられてか、私も「何でも見てやろう。何でもしてやろう」と、
がむしゃらにいろいろ取り組んでやって参りました。

 米寿を迎え、来し方を振り返りますと、失敗の連続でしたが、
歪みなりにも一貫して人生を彩ってくれたのが「囲碁」でした。

 終戦時は少年14才、中学2年でした。
世の中が一変して、剣道部をテニス部に替え、
インドアでは百人一首と囲碁を始めました。

 大学のゼミというシステムがあります。
セミナーとか、ゼミナールと言われるものですが、
どんな人でも世の中のことをすべて知ることは出来ませんが。
一つのことを、その一つの中のほんの一点だけを突き詰めて行くと、
世の中の姿がおぼろにも見えてくる。
そのノウハウを得るようなやり方を。
すなわちゼミのようなことをゲーテも言っています。

 私にとっては囲碁は今では70余年の歴史があります。
碁吉会も30年近いです。

私にとってのゼミは囲碁で、囲碁の真理のようなものを通じて
諸事を今では「嗚呼、そうだったのか」と思うようになっています。

 それとても、楽しくなければ碁は打てません。
碁吉会のHPを立ち上げるとき、
「楽しむこと」はエネルギーですから、明るく楽しく進もうと
Indexに「Joy Joy Joyful」と表記しました。

 私にはそれから「楽しむ心」が常駐し、
事に於いて楽しんでいる自分を自覚するのがまた愉しいと思っています。

 ここにいらっしゃる各分野の人生の達人の皆さまの、
お一人お一人とのお付き合いで、
人生の醍醐味を戴いていますことに厚くお礼申しあげて、
お礼の言葉とさせて戴きます。

本日は有難うございました。