俳句吟詠十訣 高野圭介(虚石) |
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吟詠十訣 について |
私が俳句の手ほどきを受けてから四半世紀。 昨今では、交友句会丸四年。淡水句会丸二年と 盲滅法に取り組んできている。 俳句百年の今、 誓子の帰結された知性による十七音の詩の構成論に接し、 私が想定もしなかった俳句論と、心底驚愕した。 ここに「俳句とは何か」 「俳句吟詠の要点は何か」を自分に訊ねた。 そこで、俳句の吟詠に際して遵守すべき要訣を 十項に集約し、「俳句吟詠十訣」とした。 |
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「写生して、 平明に叙す」 |
分類と言えば、昔から「ヨミ・カキ・ソロバン」と言った。 オリンピック(Olympic)では、より早く(Faster) より高く(Higer)より強く( Stronder)を競うものであります。 英検では英語の言葉の分類を四つに分けている。 この英検分類を俳句の要点に分析・適用して 『注()は俳句』、起承転結に提示したい。 |
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1.Reading.・・・・・ヨム力 ・・・(写生と発見)。 2. Listring・聞く力 (心の感動は物に置き換える)。 3. Grammer・・構成の原則・・(季題・十七文字)。 4. Composition・作文の力・(調べよく平明に叙す)。 |
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果たして吟詠の実践に際しては、ここに羅列した多くの要点で 点検は煩瑣なので、重点的に「写生して、平明に叙す」の 二点に視点を置くことにした。この二点を詳説します。 |
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1.写生する | 俳句は物や風景をよく観察して、そのありさまを絵のように 十七文字の中に写し取る文芸だとも言われます。 このような俳句の作り方を「写生」と呼びます。 後藤比奈夫は 「客観写生とは心で作って心を消すこと」と述べています。 難しいですが、「作意が透けて見えてはいけない、 自然のありままをもっとも適した言葉で表現するのが良い、 そのために作意の痕跡を消せ、ということです。 作意を消しても、そこはかとなく、 作者の心の動きが見えるような句が名句となるのです。」というのです。 |
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2.平明に叙す | 平明にして余韻を残す。 如何に言葉を省略して、如何に調子を整えるか。 十七文字のなだらかな調子で、もし、 調べを成さぬような言葉を並べるだけというような 冗長は避けるべきと。 つまり、喜び、驚き、悲しみなどを言葉少なに伝える。 しかも、形容詞、形容動詞などでなく、 取り合わせ技法で表現する。 |
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