勝負所のある碁

                                           高野圭介観戦記

橋口美香四段 vs 二子 井原嗣治

2006年3月12日 於 六甲オリエンタルホテル
221手完  白12目勝ち

碁吉会との縁
井原さんが美香先生を碁吉会へ連れてきた。
牛ノ浜九段が鉄砲打ちに千種の山奥へ来られ、
その門下生として、
井原さんが親しくなったことがきっかけとなった。

それが回り回って、
十幾年かかって、碁吉会との縁が出来た。

ご両人の碁
何と、このご両人の碁の実戦はほとんど無いそうだ。
もちろん、棋譜を残した碁も初めてのこと。

勝負所がいっぱい
敗れた井原さんは「勝負所がいっぱいあった」
「それでいいんだ」と、淡々と言っておられた。


橋口評 白51はやりすぎ
黒20は黒18の横にぶつかるのが定石です。
黒26も白27に割込んでからフクレルのがよい。
黒36は固い。黒37にケイマ攻めしてほしい。
とてもここまで良く打っているのに
もったいない。
白51はやりすぎだった。54にカケツグべきだった。

白は苦しい
これから白は苦しい戦いをしいられる。

黒の猛攻だ!
黒68は、厚い手で、すばらしい。
井原さんのよさがにじみ出ている。


黒70が守りだけ
黒70が守りだけの手で、ぬるかった。
黒70は84が攻防兼備で、白は嫌だった。
黒84は時すでにおそし。白が生きたあとはつまらない。

白85はやり過ぎ
白85はまたまたまた、やり過ぎ。
黒は89の上にハネ出して、白問題だった。

白形勢悪し
白93も勝負手連発。白形勢悪しなので焦り気味。
黒120はぬるま湯。
黒120で160に一間にトベば黒形勢良し。

白127とハネに回り、細かくなった。