「碁は調和なり・・・もどき」

                                       高野圭介 自戦記

橋口美香四段 vs 先番 高野圭介
白6.5目出し(逆コミ)
      
2006年9月5日 於 神戸サロン
203手以下略   黒7.5目勝ち


「碁は調和なり」と、かって、呉清源師が喝破した

おそらく、師の言葉と私の理解には相当な開きがあって、
山頭火じゃないが、分け入っても分け入っても棋理は深奥で
今、私の想像している調和とは、似ても似つかぬ「もどき」ではなかろうか。

変な確信
これには、変な確信がある。

黒65シマリまで、美香先生から、
黒57から59.67.63.65.は「そのところ・・・最高のバランス」と、
賛辞を戴いた。

疑問の山  
しかし、たとえば黒57だが、
白58で119とオシが来たら、どうだったのか?
ちょっと寒気が来そう。

もし、
黒41で26の上にトビツケていれば、
黒57は無条件63と打っただろう。

どれもこれも疑問に思い出したらきりがない。


白の述懐
白80は打つところがないから打ったまでで、

黒は厚くて、地も多く、勝勢豊か・・・と
述懐され、もお褒めに与ったが、
手放しで喜べるか。

個々の問題点
それでも、個々の問題点は見逃せない。

打たずもがな
黒103は打たずもがな。

無謀の一手
黒105は無謀。106とオシて、完璧だった・・のに。

宝の山から
黒115は宝の山から滑り落ちた。
「116の下」にノゾけば、白壊滅状態であった。
したがって、
白は「116の下」に打って、備えなければならなかった。


のに、震えた。
黒177は184にツイで、攻め合い勝ちで、
何事も起こらなかった・・・のに、震えた。


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