京都・寂光寺の本因坊戦 山下道吾本因坊 vs 井山裕太挑戦者 七番勝負第1局を観戦できる珠玉のとき 高野圭介 |
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寂光寺 | 初代本因坊算砂が徳川家康からプロ棋士のトップの待遇が決まり、 お城碁が始まって以来、400年の節目がやってきた。 折しも、第67回本因坊戦が由緒ある寂光寺で対局されるとあっては、 現在存命中の本因坊十名全員がここ京都に大集合した。 折しも、囲碁史、囲碁資料の大家で、囲碁通の水口藤雄先生の お供をして特異な観戦の機会ができた。 宮垣実さんと私にとっては生涯に思い出深い貴重な体験となった。 先ずは序の口から。 |
前夜祭 | 名にし負う寂光寺肝煎りの初の本因坊戦とあっては、 前夜祭には全本因坊がうち揃った。 会場の様子は300人の参加者全員の熱気が漂い、 「この参加費一万円は安い!」という声さえ聞かれた。 |
竹之内正子さんは本因坊全員十名のサインを貰ってきた扇子をご披露されている。 |
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奈良・采美会 | 私は2年ぶりの盟友・奈良・采美会の淑女たちとの邂逅に,旧交を温めた. 辻 尚子さんの手には、さすが趙治勲の味のある墨跡の扇子が握られている。 |
ニコニコ生放送 | また、皆さまからは会場内の情報が次々と寄せられる。 曰く、井山裕太挑戦者の祖父・井山鉄男さんが元気で来ておられるとか、 ニコニコ生放送のことなど、情報量が豊だ。 |
天元の連碁 | 最後に、本因坊を初め、オールジャパントップの連碁が始まった。 天元打ちの連碁となった。 奇しくも、昨今、天元の碁を研究している最中であったので、興味深かった。 想像していたように、天元から2連星は無いと思っていた通り、 4隅はいろんな位置で始まった。 天元を活かそうと、中央志向に終始しているのが印象的である。 |
水口藤雄 | 夜はホテルで、プレ・オリンピックとも言うべき水口・宮垣戦である。 水口藤雄先生の囲碁談議は面白い。 寂光寺と本因坊のこと、少年やご婦人方の初心者への碁の手ほどきのこと、等々。 留まるところもなく、枝分かれしながらどこまでも深く入っていく。 碁も大好きで、嬉々として盤に向かっておられる様子は仙人のさまを彷彿させられる。 |
対局第一日 | 私たち3人は対局場・寂光寺へ向かった。 もう何年も前に訪れて、水口先生の講演を聞いたことがあったので、 思いで深い名刹であった。 私たちはともあれ住職・大川定信師をご紹介された。 ご両人の話は1024年の日本棋院100年・関西棋院75年の 微細に入る話に及んでいるのを眼の前にして、 感嘆しながら聞き及んでいた。 |
谷岡学長 | たまたま大阪商大の谷岡一郎学長にお目にかかれた。 かって中国・山西省で発掘された,石の碁盤の拓本を陳祖徳院長から頂いた。 これは私が私蔵すべきで無いと考えて、商大に私が寄贈したこと などから「囲碁起源尭都説」についての話など楽しい機会にも恵まれた。 cf:「囲碁起源尭都説」李 百玉 日訳・唐騰 「醍碁味」p.156. |
控え室 | すでに、検討室では、林海峰・大竹英雄・趙治勲の三大巨頭が盤を囲んで、 談笑しながら開始遅しと待機する。 いざ、対局開始。盤上は白番山下本因坊の意欲的な白16から、早くも風雲急! やがて、後ろ髪を引かれる思いで、都ホテルの解説会に向かった。 |
第2日目 | 朝から、パソコンの前に首ったけで、観戦。 意欲的な白・山下本因坊の仕掛けが鋭く、 白104で、上下の黒に王手を掛けているようだが、私には読み切れない。 いろいろ碁の仲間と次の一手を話し合いながらの観戦だから、なお楽しい。 まさに珠玉のひとときである。 あっと言う間の結末が来た。 天才・井山の発想と妙着に感動した。ブッチギリの勝利は天晴れ! 白は難なく活かせてはいけない。取りかけも困難だが・・・仕方なかったか 取りかけは矢張り難しい。白無念の結果だった。 |