せっかくのコウも台無し

                       高野圭介

 二隅で両目外しの立ち上がりとなった一局。

家田隆二先生の評を中心に、私見を交え、追ってみます。


●10で早々戦闘開始だが、●14はハネたものの、あと打つ手がない。
 辛抱して、もう一つノビて頑張るプロの実戦譜がある由。
●32は碁の骨格に関する急所である要点を失し、大局を失っている。
 故に●32では○33にシマリが先決だった。
●66.68.は打たざるが可。中央決戦の際、67辺りからのキキを失っている。
●70.72.74は「かなり良さそう」と褒めてもらった唯一の手。

●98が敗着と自戒・・・その理由

 @手抜きされて、肝心の時に一手パスは致命傷。
 A打つなら、121と打つべきで、譜は○5子を捕獲する権利放棄と、
 吉野従生さんの指摘がある。
 B中央と右辺に備えて、●103○119●100の進行のようだったかと反省。

●104●110は苦心の手だが、苦しい!とは言え、悪くなってから、
 良い手のあるはずがない。
●124はまさに勝負のタイミングと、思った。

勝負手のコウ

●138は渾身のオキ。コウが始まった。この辺り形勢互角か、と評あり。
○141.143 は さすがプロのきわどいキカシと、感心させられた。
 勝負手も、全局的に薄い欠点を暴露し、コウ材が続かず、投了。
 もっと手厚い碁でないと、悦び組には入れないと反省。


家田隆二八段vs高野圭介
2003.08.07 於 ランカ
2子局 163手以下略 ○中押し勝ち