碁は負けながら勝つのがいい


                  高野圭介自戦記


家田隆二八段 vs 高野圭介
2003・11.06 於ランカ
2子局174手完  ●中押し勝ち

 家田プロに2子局で挑戦する。
きらきら光る石でとにかく一局勝ちたい。
 いつもと違う碁を打とうとした。とにもかくにも、
味よく傷のない厚い碁をと願って、高目から中の碁を目指す。

振り替わり立ち替わりして
 家田先生がぽつりと石を置かれたとき、
「勝てた!」と嬉しさに厚みに感謝していたが、
先生の解説を聞きながら、何回負けていたか?と反省!

山本周五郎の言葉から表題にした。
「人は負けながら勝つのがいい」

 家田評

@●18は19にサガリが多い。ただし、先手後手の違いはあるが。
A○87●88までの分かれはいい加減か。
B●110は125に打って、手入れをさせてからのこと。
この折衝で、黒は少なからずダメージを受けた。
C○133からは難解を極めた。白は最悪の結末となって、完了。

 まさに「如法闇夜」(山本周五郎の)である。即
「法のごとく暗い」即
「法というものが、もともと暗黒だ」即
「碁の法は分からないというのが碁だ」

 ここは時間をかけて検討いただいたが、
実戦心理から生じる着手は
また別のものであった。