碁には不思議の勝ちあり

                      高野圭介自戦記


家田隆二 vs 高野圭介
2003年12月4日 於 ランカ
指導碁 2子局
216手以下略 黒7目勝ち

その瞬間
「碁には不思議の勝ちあり、不思議の負けなし」
そんな言葉が緊張から解かれた白雲の中から浮かんできた。
これはかって、ケーブルテレビの囲碁欄にいつも出ていた言葉である。
 その意味はなんだか、分かったようで分からなかったが、
訳分からぬまま「不思議の勝ち」に酔うている。
師走まっただ中の大きなボーナスに

「石はこう動く」というのを好きなように打って
その棋理に忠実という自由を味わいたい、というので
二子局に挑戦しているのである。
その結果だった。

 家田先生の講評は
黒90からのコウを巡ってのコウ材と、
必死のコウを仕掛けるタイミングの模索で、
結果として無コウに近い結末を迎えてしまったことに、
検討を加えてもなかなかそのベストの図が得にくく、
「まあ、これか」と言われても、ご自身納得されていないままで、
なお難しいようであった。

 黒への講評を求めたが、殆ど言及されない。
 でも、私自身、反省点は山ほどある。

●20は独善。敗着に直結していたはず。
●82はヤケクソパッチのダメ詰めで、白は冷静に無視して、86に8目を取りきって、
振り替わっておけば、後は、上辺の白のシノギだけだったはず。
しかし、白は全滅を怖れたと、述懐されていた。
●106がせっかくの勝勢をフイにしそうな悪手で、
冷静に119と、中に一間にトンでおけば、
もう一切のマギレも無かったのに。
●140が勝着の決め手か。




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