2子の置き石の威力

                             高野圭介自戦記

家田隆二八段 vs 高野圭介

  家研・2子局
 2004年2月5日 於ランカ

  二子局は少々失着を重ねても、威力は衰えないものと知った。
でも、最後の失着はやはり致命傷となった。

戦場で、開戦の陣形シフトは悪くない。
小競り合いでは対等ないし対等以上に戦ったが、
ちょっとした作戦の誤りが苦戦を呼び込み、
矢傷刀傷にもめげず頑張り、何とか態勢を整えて、
なお、二子の威力を温存できて、細かいながらも
ここ一発決め所・・・というとき、自爆した。
そういった碁であった。

  家田先生の評

@白39で40にハネなかったため、上辺の変化は白不十分。
A黒優位の進行であったが、黒64が緩い。中に備えるべき。
B黒84は87にハネの一手。そうでないと碁にならぬ。
C白89はええ加減な手だが、黒90はだまされた。
D黒120は121に備えるところ。
E黒122から損をしている。
F白131も決め損なった。138ににツケて、黒壊滅だった。
G黒114が最後の敗着。165にスミを手中にして細碁。

高野の感想

 さて、打っているときは、いい手と思って打つのだから、
失着に気が付かないで、悠々としているのだからお始末が悪い。
 でも、これだけの失着があっても、
なお、勝機が残っていたとはオドロキという他はない。
でも、逆説的な表現だが
二個の置き石にはそれだけのハンディを戴いているわけだ。
それでも勝てない!