気迫で残った2目

                          高野圭介自戦記

 家田隆二八段 vs 高野圭介

   2子局(第11局)
 2004年6月3日 於 ランカ
 254手完 黒2目勝ち

 家田先生の評を中心に譜を追います。

 立ち上がり、嘗て見たこともない両バサミの変化。
私は途中から、簡明を期したが、
中山典之の新作だそうな。新定石が作れる・・なんて、凄い!
「2ノ1」にハネて、コウにするのがまた凄いのだそうな。
こんなのは、とうてい頭にも浮かびかけしない。

 一段落のとき、黒86と、「打ってはいけない」と、
自分に言い聞かせていたのに、つい、手が出た。
哀しき宿業か。

辺の真ん中 97 辺りに、着手を求めるべきと、先生の評。
敗着!と、観念したとき、
普通の振り替わりでは即負け!
大きく持ち込んでも、最も紛らわしい手を選んだ。
二カ所の勝負どころへ繋ぐための苦肉の策であった。

 白143が問題の手入れ?
先生も時間をかけて調べられたが、はっきりしない。

 安全策に白143と、目持ち。しかし、白147 となってみると、
155 からの乾坤一擲のコウが恐怖となり、白155。
こうして、白は2手かけたが、1手で済ます手だてはなかったか?
 一つの案は、白は144,黒その右オサエ。白135の右アテと、
両コウにして取れば、1手で済む案が有力だったと言われる。

味良い手入れがこの碁の命運を司った。

 不思議なことに、損を重ねたような苦肉の策が奏功!
愁眉を開いた。
黒は反撃開始である。

まず、黒148.150と手を付けていき、
中央の手筋がおもしろいように決まった。
次いで、待望の黒156打ち込みはこの一点!
時を得て、黒石は躍動し、遂に白陣を分断!
黒178サガリを見て、白に危険信号が点った。

先生は「死にそうな予感がしたら、やっぱり死んだ」と言われた。

想定外の大収穫で、一気に細碁模様。
私は身体がゾクゾクするような快感を覚えながら終盤へ。

その直後、たいへんな逸機をしている。
黒218で、「10*T」にノゾイていたら、
この大石はセキか、最悪 攻め取りになっていた。
それこそおしまいのンだったのに。

そのつもりで打っていたのに、何という大アマちゃん。
汗顔の至りである。
ヨセは私には分からないが、作って、2目残っていた。


 


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