他愛も無い、決まったような手

謹んで新年を言祝ぎ奉ります。
                                        高野圭介 自戦記

家田隆二八段  vs   先 高野圭介

158手以下略  白中押し勝ち


長老の、その言や重し。長い間培われた体験は、価値ある中身に満ちている。
そう私は思っていた。

いつしか、どこへ行っても、私は齢だけは最長老だ。
だからと言って、声だけは大きいが、中身は希薄の部分が混じってきた。
そのように感じかけている。

年末のテニスで、若い衆顔負けの美技が出るかと思ったら、とんでも無いエラーが出る。
碁も同じだ。巧く行っていると思ったら、気合い空白のエアーポケットに落ち込む。
もはや、救いようが無い。


本局も肝心の時に、見えなかった。のにのにである。
棋譜を整理していて、ハタと膝を叩いた。それが、黒93である。

なぜ、こんな他愛も無い決まったようなことが打てないか?
おお、気合いが薄らんでいる!
私には齢という、救いようも無い哀しみを感じている。

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ここで、地合を計算すると、
頃右上隅60目。下辺15目左辺5目 計80目
白左上隅40目。中20目。左下隅20目。 計80目

白がノゾキにツイだとき、白4の下(D3)」ツケで、手だから、
先着の優位は残っており、まずは打てている筈だった。


家田先生のご指摘だが・・・・本譜もオカシイ手が

「いつもの高野さんなら、左辺黒117は、B-11とケイマして攻める。」
変調ですね。と、ご指摘があった。

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