鑑賞に値する碁を

                                              松本倶之自戦記

家田隆二八段 vs 四子 松本倶之

2006年1月4日 於 パレスサイドホテル

126手完 黒中押し勝ち



気合を入れ

新春初の指導碁ということで、気合を入れて打った。
途中、気合が空回りして
左辺でしくじった場面もあったが、
総じて手厚く打ったのが奏効し、
126手目で白の投了となった。

3連勝

これで先生には、
昨年から3戦連続して黒の中押し勝ちを収めることになった。

同じ勝ちでも中押し勝ちは気分のいいものだ。
特に私にだけ、甘く打ってくれているとは思われないので、
少しは自分の棋力が向上したのかなと、思わず錯覚させるに充分である。

アメ作戦

しかし待てよ、
ここは先生のアメ作戦かもしれないと、
一歩下がって見守る必要がある。

鑑賞に値する

先生はいつか会話のなかで、
「鑑賞に値する碁」という表現を
お使いになったことがある。
わたしの碁にではなく、
一般的な話の中で出てきたフレーズだが、
いい表現だなと感心したことがある。

程遠い

以来、これを心がけているつもりだが、
にぎやかな囲碁仲間との対局では
そうはいかない。
取ったり取られたり、相手がミスするとシメタと思うような碁で、
鑑賞に値する碁には程遠い。

ほくそ笑む

大竹英雄九段は相手がヘマな手を打つと、
自分のほうがクサルそうだが、
こちらはほくそ笑む。なんたる違いか。

奥深いゲーム
ところが、よくしたもので、乱戦は乱戦なりに結稿楽しい。
この面からも囲碁は奥深いゲームの一つといわれるゆえんだろうか。