車の後押し時によりけり



家田隆二八段vs宮垣 実
2003.07.03 於ランカ
3子局 40目黒出し
107手完 白中押し勝ち


                        宮垣 実

 プロ棋士に「3子・コミ40目黒出し」で挑戦。

 普通三子局はアマ5段以上の指導碁なのに、
敢えてこのような無理を言ってご指導頂いています。

 立ち上がりから●60手までは本に書いてあるような進行だったと思うが、
ここまでは難なく、「5段の進行」とお褒めに与った。
「好い」と思ったときが危ない。
  どうも●64手から崩れていったのを見ると、
安全を図った●64手が最初の敗着?で、
思うに、○65にオスべきだったのかと反省。
 ●104までちょっとよれて来ているが、私の棋力並の進行か。

次は●106手。
これが問題の「車押しすべし」だった。

 家田先生評

「一般に置碁では車の後押し大いに結構!
 相手が止めたとき、自分が続けたら、
たちまち逆に相手が車押ししたことになる。
通常互戦のとき、後押しは負けに繋がるのだが、
置碁では押し切りになり、案外いい結果が出ますよ。
{なりふり構わずのゴリオシ} が正解となるのです。」
「●106がそれで、{11ノ十一}と後押ししておけば、
うまく治まり、こんな崩れ方はなかったのに」と。

 譜は ○107が急所で、●はニッチモサッチもいかなくなった。
この「後押しOK論」には非常識が常識とはこのことかと、
驚いたり感心したりでした。