本当に勝ったって?

                             宮垣 実自戦記

家田隆二八段vs宮垣 実
2003.08.07  於ランカ
3子局 30目黒貰い
110手完 ●中押し勝ち


 アマチュアの先生は滅多に勝たせてくれませんが、
プロの先生はときどき勝たせてくれる。この差はいったい何なのか。
 前者の場合の生徒は私。勝ったときは本当に嬉しい。
後者の場合の私の心は本当の自分の力で勝ったのか疑問を抱く。
 
本日の碁も家田先生が「投了」と言われて、「本当?」とつぶやきました。
 右下隅の●の一団が危機を脱したときに投了されたのですが、
コミが30目あっても、中央が馬草場になれば細かいのではないでしょうか。
 アマは終局を確認したいものなんです。


  家田先生評

 家田隆二先生が「こんな手を打たれては、カナワンナ」と悲鳴を上げられた
三つの手。
●64キリチガエ。私・宮垣もここを●76.78と突き抜けては頑張れると思った。
●84 は「”勝ちました”と宣言された」と褒められた。
●110は○の勝負手を封じ込んで、やれやれではあったが・・・

 遡って、●6の検証

●6で、●2からどんどん中に一間にトビコシていくのがよい。
 菊池康郎著『囲碁に強くなる本』p.22に記述がある。
参考図、本頁・最後尾参照のこと

「この中央大作戦の図は西村修独特の構図で、
自信を持って一間一間と、トビコシて打つ。
 のびのびと自分の碁を打つのが良い」


立会人・高野の眼

 宮垣さんからこんなメッセージが届きました。
 平素から「宮垣さんは強くなったなぁ」という感じを抱いていたものですから、
このメッセージに「本気で、未だ自分は弱い!と思ってる?」と感じました。

  家田先生は「30目のコミ」を予想外に意識されていて、
「いくらヨセても、ヨセ切れない」という判断があるのではと。
 宮垣さんは「今からが勝負で、寄せられて負け」とまだ怖がっている。





cf. 菊池康郎著『囲碁に強くなる本』p.22