勝って嬉しい花いちもんめ

                                 宮垣 実 自戦記

家田隆二八段 vs 宮垣 実

家研 5子局
2005年4月7日 於ランカ
158手完 黒中押し勝ち


本日の先生は少し宗旨変えをされたような
ご高説があって氣になっておりました。

対局早々のお言葉です。
「アマチュアの碁は楽しんで打ってくださればよろしいので、
勝負にこだわらないことがベストでしょう」

 私の如きは女性には何がなんでも
負けちゃあならんとばかりに頑張って、
今度の京都大会では清水美子様だけに負け、
外の女性には多分全勝したと思います。

 家田先生以外のアマ大先輩からは何時でも言われています。
「石はぴーんと張っていなければ面白くもなんともない」と。

「勝ったさえ良いなどと思うな」とも。

 今日の家田先生は60手くらい進行したとき
早くも「もう負けだ。投げようかな」と、口にされるので、
「こんな段階で『負けました』と言われても素人には分かりません」
と言って皆さんの失笑をかいました。


 普段と違って今日の先生には
「負かしてやろう」という雰囲気が感じられず、
気の乗らない雰囲気は私にも伝わってきました。

 ヨセに入りかけたところであってはならない先生の
20個程の大石の頓死であっけなく終了してしまいました。

何か先生の読み違いでもあったものかと、並べてみましたが、
私には理解できない世界のようでした。
やはり気持ちの持ちようが勝負を分けると痛感しました。

独り、帰りに道路に出ると、御堂筋の桜が一気に満開でした。
こんなに大勝させて戴いて、勝って嬉しい花いちもんめ・・・

今日のご指導、有り難うございました。