プロのあざやか職人芸


                                       宮垣実自戦記
家田隆二八段 vs 4子 宮垣実

  2005年11月3日 於 ランカ
  162手完 黒中押し勝ち



家田先生の

あざやか
職人芸の指導碁




勝負ごとは勝ったり負けたりするから、おもしろい。
負けたり負けたりが続くと、落ち込んでしまう。


家田先生は適当に生徒を勝たせて喜ばせて素晴らしい先生だ。
わざと負けてみせるようなヘボは打たれない。
そこらは職人芸ではなかろうか。

しかも

指導碁という立場では先生が勝ちすぎてはいけない、
負けてもいけない。ほどほどでなければ・・


本当に大変なことで敬服いたします。


味の悪いヨセ


本局右辺白89のコスミに黒90と、
トンで受けたことを注意された。
一度これを教えると、
誰もがこのように打つので驚いていられた。

ヨセとしての出入りは真っ直ぐさがって受けても一緒で、
アジの悪さだけが残るから、今後打たないようにといわれた。

       

高野先生の

「攻める」
「守る」論


高野先生から、この碁で、

「攻める」について、評があった。
「攻めようという気持ちが表れてきた」・・・だから良い。
しかし
「しかし、攻め身が遅い」・・・「遅すぎる」とも、指摘された。

さらに「守る」ことについて、
「自分を守ってから、攻めようとしていることの
無意味さを悟ってもらいたい」

それは
「生きた周りの石は小さい」
「生きた周りの石はカス石である」
これらの表現と、同じことだ。

だから、
「守ってから、取りに行く」のは無意味に近く、
「自分が守る間に、敵も守ってしまうので、取れない」
「守ってしまってからは、石を取る価値が低い」