そこから先が”闇” 武知ハルミ 自戦記 家田隆二八段 vs 武知ハルミ 家研指導碁 4子局 2004年12月2日 於ランカ 157手以下略 白中押し勝ち この碁が終わった途端、高野さんが 「武知さんの碁に革命が起きている」と言われた。 「何が変わってきたのか」を後で聞けば次のようなことらしい。 「部分の戦いが弛んでいないのが一番。 どこか空いているから、そこを先占するという訳の分からん碁から脱却して、 部分をしっかり打ちながら、全局のバランスをとっていく ・・・という素晴らしい進化」 「そんなものかなぁ」と、思ったが、自分では分からないものだ。 家田先生の解説 下辺、上辺、左辺、左上隅、右辺と、5ヶ所の戦いがあるが、 途中経過は完璧に近いのに、ことごとく最後に失敗している。 最後というのは、うまく行って、ここという詰めの段階になって、 読み切れず、闇雲の手に甘んじてしまったということらしい。 つまり「そこから先が読めない」という哀しい結末だった。 でも、そこまで追い込んだという燭光が見えたというのは 将来展望が開けたということ、と勝手に解釈している。 本譜、家田先生から懇切丁寧なアドバイスは以下のごとし。 @下辺、黒30まで、文句のない進行だったが、黒38で、 白9の一間下にノゾいて先制攻撃が第一であった。 後の変化は石なりに打って、難しくなく、黒有利になる。 A上辺、黒70は73にオサエルのが、手厚くて好ましかったのに。 B左辺、黒112が逸機。116に大ケイマして、白が110を噛み取ったとき、 112と、カケ目にして、攻め合いは黒2手勝ち。最悪でもセキ。 C左上隅、黒116で、黒124、白125、黒122ハネで、 以下、2手ヨセコウとなり、黒勝ち。 D右辺、すでに勝負に関係ないが、 黒138は139でなければならない。 |