ハイライト劇場
地中に手ありやなしや

                                吉野従生自戦記

家田隆二八段 vs 二子 吉野従生

1996年5月4日 於 ランカ
146手完 黒中押し勝ち

地中に手 二局目の勝ち碁
家田先生との二子局。
勝たせて頂いたのがこれで二局目。


この碁のクライマックスは
下辺の白の大石に、
手があるかどうかというところ。
手があれば黒勝ち。


家田評の
詳説

黒6コスミ 白3の左にツケるのが普通。
黒16コスミツケ 17又は18に戻すのがいい。
黒34ワリコミ 他に、ハネ、ハサミの計、三案あり。
白37マゲ 堅すぎたか?一間トビだったかな。
黒38ツギ 同じく、一間トビ。
白53単トリ 手抜かり。アテを打ってからだった。
黒68ヒキ 中へノビが可。142キリの価値が違う。
白75トビツケ 不可。単コスが可、と反省。
黒76.78.80ケイマの攻め 好調の攻め続行は好ましい。
黒102の出 やはり、ツギ。白102ならトントンがある。
白111ハネに、 黒の手抜きは不可。122ツギなら普通。
形勢判断 白139ツギで、細碁の形勢。

地中の手
劇場

鋭い黒140オキ。
本局のハイライト劇場は黒140から。
地中に手ありや無しや。


白141は形と見えて、異筋だった・・・とは


検証の結果
手無しだった。

つまり、白141をその左か、斜め上の
どちらかで、事なきを得たはず。


生涯の一局 間違っても
白の間違いで勝てた。

たとえ
間違いとは言え、勝てたのはやはり嬉しい。
生涯の一局と言ってよい。