生きる手はあったが

                                        吉岡信一自戦記

  家田隆二八段 vs 二子 吉岡信一

  2009年4月2日 於ライフ大阪・家研
107手完  白中押し勝ち

  
 白27
意表を突かれたが,黒32まで悪くない.
黒36まで,下辺の白には眼がない.



黒40

正着? 緩手?


下辺の白の弱石を睨んで悪くないといわれたが,
82にコスムのが普通だと思う.

41の左,二線にトンで遮るのも厳しい.
白41の後、その下に押さえる手があった.
白は切るから,二線に下がって捨石にする.

下辺の白を狙う.


 黒44 筋が悪い.
ここで戦えば黒後手になり,白の打ち込みが絶好になる.
90のところが中庸を得ている.

黒48
一路上52に大ケイマが面白いと言われた.なるほど.

 黒72
やはり、予定通り74で生きて、
下辺,中央の戦いに備えるべきだった.

白77まで黒は半眼しかない.

黒84 ソッポの手
忙しい中央を放置して何たる緩手.85に伸びる一手.


 黒94
97にアテれば生きるが,碁は負けだろう.