悲壮感に捉われながら,積極的に打った

                                            吉岡信一自戦記

家田隆二八段 vs 二子 吉岡信一

2009年12月3日 於ライフ大阪・家研

138手完  黒中押し勝ち

 黒32  
壮快,この一手! 皆さんもそう思いませんか?
 ところがさにあらず,45または46に守るのが本手であると.
 言われてみれば全くその通り.
 白39〜黒46
  白39に押さえられてギャフン.黒42で45に切れないとは情けない.
 黒46と生きるだけのツライ手.一手遅れている.
 黒48以下,黒は悲壮感にとらわれながら必死に戦った.

 黒58〜黒78  
 欲張った打ち方.右下隅,下辺に手残りは覚悟の上.
 しかし,白79は厳しい.黒の大石は風前の灯火か?

 黒88  
思い切った反発.以下黒118までとりあえず黒の成功.
 しかし,白121で黒の大石は累卵の危機.

 黒130
 手筋の二段バネ.爽快な生き.
 白87に押さえられた時からの読み‥‥と自慢したいところだが
 実はその場で発見したシノギ.