キリ不発がさしもの好局をフィにした

互先 高野圭介(碁吉会8段)  vs  先番 門谷真二(パンダネット9段)
            先番6.5目コミ出し

2009年11月15日 於 料亭・芝苑

210手以下略  黒6.5目勝ち

                                                         高野圭介自戦記




 医師の碁会  
大坂に関西の医師の碁会がある。

ちょうど30周年を迎えて、正岡先生・・・羽田先生のルートから参加依頼があった。
私は三男の雅彰歯科医の家族ということで、資格があるそうな。

本田邦久九段・滝口政季九段・芦田磯子六段が参列され、選手は約30名。
1日4局打ち・持ち時間40分で開催された。



 高齢者の疲労
その第4局。

普通なら打たない手が,なぜかある。

打ちながら高齢者の疲労とは、根気が無くなって頭の回転が止まるものなのか?
否、逆回転しているのかも知れない。無気力感が忽然と覆うものなのか?

敗勢と勝勢の谷間


帰ってから、並べ直してみて、驚いた。

白22は25ノビキリ・・・と、反省。

黒81は必殺仕事人だった。
命運絶たれたと思われた白、危機一髪、白82は唯一、シノギの妙手を発見

白98と用意して、114キリからの1眼も格別

この辺り、碁の醍醐味を味わう。

ナンタルチア!
私は絶対に打たない!と決めている1手をなぜか打っている。

白126生ノゾキとは何だろう!
白126生ノゾキで・・・実戦の、敗勢確定。


ズバッと、切ったら・・・参考図(末尾)・勝勢確定。

 

中身の濃い碁
並べて、6.5目の負けだった。

門谷さんの述懐。
「白はヨセで、10目は損をしている。ノーマルなヨセなら、持碁一だったかな」

今、自分で最も怖ろしいのは、無意識の行為がダメスジの烙印。
ああ、下達への事始めか!

でも、何とも言えないコクのある、中身の濃い碁であった。
存分に堪能して、今なお本局に酔うている。


ああ、強くなりたい!


宴席での話。

世話人の田村 清 様が「皆さまにお願い!」といって、
「碁に強くなる法」の蘊蓄を披露して欲しい」と言われた。

私は「楽したまま碁が強くなる本があります。」と申し上げたら、
どうも、どなたもご存じないご様子。
滝口先生が「私も強くないたいから、それを見せて欲しい。」と言われた。

帰宅して、見たら・・
・副題「努力しないで碁に勝つ法」とある本で、
正式な題名は「の世から置碁をなくそう」勝本哲州著であった。





この世から置碁をなくそう 下巻 復刻版

コノヨ カラ オキゴ オ ナクソウ
努力しないで碁に勝つ法  ドリヨクシナイデ ゴ ニ カツ ホウ


勝本 哲州 著 誠文堂新光社
カツモト,テツシユウ セイブンドウシンコウシヤ 
2009年03月 発行 ページ 150P サイズ A5ソフトカバー 1,680円(1,600円+税)
ISBN 978-4-416-50903-6 (4-416-50903-0) C-CODE 0076 NDC 795




この世から置碁をなくそう 下巻 復刻版





囲碁必勝法と必昇法

ーー努力しないで、碁に勝つ法ーー上下巻

勝本哲州著

                                       読み終えて 高野圭介

「努力しないで碁に勝つ方法」と言う本がある。
断っておきますが、碁が強くなるというよりも、ただ、
勝つことにのみ一直線に進むというものであると、著者は言う。

現実に、呉清源、坂田栄男、前田陳爾、瀬越憲作の巨匠に対しての
実戦譜で実証しているから、頷かざるを得ない。


著者が繰り返し述べていますように、
あくまで「必勝法」であって、「必昇法」ではないということなのです。

蓋し、このような考え方も分からぬでもないが、
この囲碁哲学が染み込んでしまったら、畢竟、
「上達法」どころか「下達法」に汚染され、恢復には時間が掛かりそうだ。

  
6子局
瀬越憲作 vs  6子 勝本哲州  黒19目勝ち

 
7子局
前田陳爾 vs  7子 勝本哲州  黒06目勝ち

  
8子局
坂田栄男 vs  8子 勝本哲州  黒20目勝ち

9子局
呉 清源 vs  9子 勝本哲州  黒29目勝ち


 

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ズバッと、切ったら・・・参考図

 

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