井山の危なげのない大勝利

名人戦第6戦は井山の本領発揮



名人戦第6戦は井山の本領発揮。
何とも言いようもない危なげのない大勝利で終わった。
いよいよ3勝3敗。大詰めを迎えようとしている。

                                     高野圭介 記




さて、遡って、10月30日第1日目の進行は、まだ解説はない。

私は大阪のライフ大阪で観戦していた。
黒65はここに打って、黒優勢!と、言っていたら、
どんぴしゃり!と事務局の桑原優美子さん。


勝勢を確信して帰路に着いた。

とは言え、天元々天下の名人・張栩と井山裕太二人の共通点は
読みに絶対的な自信がある点で、
大局観はもちろんのこと、特に手所での戦いは棋界の1、2。

しかも、実戦では百戦錬磨の名人・張栩である。
 2日目の帰趨は予断を許さないものもあった。




 その中での大勝利である。


この名人戦と同時進行で、二つの棋戦があった。
第33回棋聖戦と第1回ワールドマインドスポーツゲームin北京である。

その特徴と井山の関わりを見たい。


棋聖戦
 棋聖戦は挑戦者決勝戦で、井山裕太は依田紀基と戦った。
中盤で、優勢と思われた白番井山の放った右上隅の一着。

林海峯が「初めて見た!」と言い、控え室も動転したが、
結果として、評は善悪不明と言うことだった。

私はこんな発想がどうして沸くのか、この大事な一戦に打てるのか、
結果は井山は敗れたが、天才井山の本領を見たのである。

北京のマインド戦
北京のマインド戦は日本はトップの総動員だった。結果は3位。

依田紀基無冠九段、注ェ直毅本因坊、高尾紳路十段、
山下敬吾棋聖、河野臨天元の5名である。

残念ながら、当然とは言え、我が井山はまでお呼びではなかった。
井山はトップグループ五人にはまだ実績が認知されていないのである。


張栩名人と井山裕太八段は勝ち星でも競り合っている。


囲碁の勝ち星ベスト10

囲碁年間勝利数(2008年10月28日現在)の報告がある。
 (asahi.com 記載より)

張  栩  名人 42勝12敗 54局
2 井山裕太 八段 41勝18敗 59局
3 結城  聡 九段 32勝14敗 46局
4 以下略

井山・張栩


年間
最多勝争い


井山が
並んだ。


囲碁の年間最多勝争い(公式戦のみ)が過熱している。
23日、首位を独走していた名人挑戦者の井山裕太八段を張栩名人がとらえ、
27日に42勝を挙げて抜いた。

過密スケジュールの続く張が最終的に最多勝を取る公算は高いものの
直接対決となる名人戦七番勝負(第6局は30、31の両日)の
行方も影響を与えそうだ。


 上半期は井山が28勝を挙げて独走態勢にあった。
一方、出遅れ感のあった張は夏から猛追を始め、
9月初旬の名人戦七番勝負開幕時点で
井山に5勝差(井山37勝、張32勝)まで迫っていた。



3位以下を大きく引き離しているため、最多勝は両者に絞られている。

王座、天元の二つの五番勝負を戦う張は、
年内にあと15局以上打つ可能性がある。

両者の直接対決は、
張が3勝2敗でリードしている名人戦のみの見込みだ。


 また最多対局数争いでは、井山が59局で単独首位をキープ。
張が54局の2位に浮上した。

勝率は林子淵七段が0・818(27勝6敗)の好成績を挙げている。

この第6局で、
張栩名人と井山裕太八段は共に42勝と、並んだことになった。。