泉美さん との うどんすき

                       岡 公子

 毎年、夏の一番の楽しみは近鉄囲碁まつりです。
ベテラン同士の対局、プロ対アマ、トークショウ、
ベテランとこの春プロになった若手とのフレッシュ対局、
サイン会、指導碁等々盛りだくさんの5日間です。
何よりもプロ棋士を目の辺りに見れることは
  囲碁愛好家にとってたまらない魅力です。

 今年も出かけて采美会の岩田さんと一緒になったので
終わってからお茶を飲んでいたら、木谷好美初段が通りかかり
「泉美ちゃんがうどんすきを食べたいそうだからあなた達もどう?」と
思いがけないお誘い。
以前、木谷教室に通っていた岩田さんのお陰で
私までお相伴に与れた訳です。

4人で関西では有名なうどんすきのお店に。
泉美さんはTVで見るよりはるかにほっそりしていて
「スマートなんですね」と言いましたら太れないんだと
羨ましいような答えが返ってきました。

何でも朝7時に起きてもう棋譜を並べる毎日とか。
お兄さんと一緒に住んでいるそうですが、
食事を作るヒマも無いので、ほとんど外食の毎日と話していました。

対局であちこち出かけても最終便に間に合えば
必ず東京に戻り疲れを残さない。
時間を有効に使う事を心がけておられるそうです。
旅先でも観光をするとか、その地のおいしい物を食べる等
あの年齢では一番楽しいと思われる事に目をつむり、
囲碁漬けの毎日とお見受けいたしました。

その日は小林泉美女流本因坊と井山裕太三段の対局を
張栩本因坊の解説という又とない公開対局でしたが、
張栩本因坊がインターネットで打った韓国のプロと
打った形が現れ、いろいろな検討も面白く、
張栩が「この方が良かった」という形に落ち着きました。

泉美・裕太の若い2人もそれを並べていて、
それぞれがすでに研究した跡が窺えて、
改めてプロの勉強の厳しさ、忙しさに
目を見張りました。

強くなりたいと思っていても私は何の努力も
していないとつくづく思いました。