4.第13回大町のアルプス囲碁村まつり




アルプス囲碁大会に夏奈子さんからお誘いを受け、ホイホイと4名で参加した。

                                         高野圭介


宮尾審判長
 お母様の陽子様はいろんな方に私を紹介して
「夏奈子の友達です」と言われていた。

 その中の一人、大町の重鎮・宮尾大会審判長にも紹介された。
宮尾さんは1997年秋の碁吉会・大町大会にも参加されていて、
即席手書きの表彰状のことなどを覚えておられてビックリした。

 倉科一家と私の対局のことだが、
おそらく宮尾さんのご配慮で対局は避けられたような気がしている。




全員が敗退
 大会の進行は不思議なほど勝ち星の順が4名全員そっくりで、
陽子6段、夏奈子7段、萬以子6段と高野7段は同じように
勝ち進んでいたがここ一番入賞と言うとき、
同様に全員が敗退した。

大粒の涙が二筋
 夏奈子さんに「如何でした?」と問うたとき、
「ダメだった」と言うや、眼がうろうろとして、くるっと後ろを向いた。

どうだろう。大粒の涙が二筋,ぼとぼとと床に落ちるのが見えた。

どんな具合で碁を落としたのか、その悔しさに耐えきれなかったのだろう。
私など「負けに不思議の負け無し」とたかを括ってしまうが、
可憐な少女はひたむきな姿勢が違うというか、
私にとって掛け替えのない感動の場面であった。

純粋さの極
後日、大会では不甲斐なかった・・と言ってこられたが、
どうしてどうして、負けじ魂は少年時代の大竹名誉碁聖そっくりである。

又、坂井秀至碁聖が少年の頃、秀行先生に公開対局で2子で負けた。
途端に大粒の涙がボタボタと落ちるのを大勢の観衆は見て、
どよめいたことがある。

井山裕太も良く泣いたそうで、純粋さはピカ一の打ち手に劣らない。