明日を占う・・・植木さと子 vs 倉科夏奈子戦・・・棋譜付

                                    高野圭介

 ガチンコ対決
今宵(2013年6月3日)は熱の入った碁に酔いしおれました。

他でもない、元院生の植木さと子さんと全日本高校女子優勝者の
ガチンコ対決の観戦というので、早くから何も手に着かないまま、
午後9時を待っていた。

両者とも私は親しく旧知の中であったのです。
観戦に入ると、仕切りいっぱいの定刻前から既に始まっていた。

 予選の再現

 
本対局の設定された経緯は以下の通り。

第55回全日本女流アマ囲碁選手権大会が3月16日、17日の二日間、
日本棋院市ヶ谷本院で開かれた。

倉科夏奈子は、F組で出場したが、1回戦で植木さと子と対戦し敗退した。
為に本戦トーナメントに出場出来なかった。
因みに、同じF組の大沢摩耶が枠抜けし、本戦トーナメントで優勝した。

その時の興奮冷めやらず、将碁さんの肝煎りで、
予選の再現となった次第です。

 高野の眼
本局、60手までは白黒共に堂々たる布石で動かず、満を持した。

白60ケイマは天王山。白は自信満々だったでしょう。

黒61はどこかとみていると、黒61が黒の真骨頂。
気がつかなかった。流石である。



本局のクライマックス

黒87と這い込んだのも良さそうな手。ここはいろいろあるが、
この白はなかなかしぶとく、簡単には取れそうにもない。

実力伯仲なのか、凄い熱戦であった。

時間の使い方


それと、時間の使い方です。

私は何回となく、時間を計っていました。5-11、6-14、11-24、15-31と
いつの時点でも、白の半分でした。 最後は22分と43分。

白眉の急を告げるとき、一呼吸の思考が思わぬポカを救うかもね。

明日の糧
総じて、碁の内容と言いセンスと言い双方素晴らしく、
存分に堪能させて戴きました。

夏奈子さんは形に明るく、垢抜けした筋で。ヨミが早くて深い。
全局の判断も狂いが無い。

才人才に溺れず、本局半目及ばなかったことを明日の糧として
来たるべき真夏の「打ち込め青春」に備えよう。




白  植木さと子  vs  先  倉科夏奈子
    
           先番6.5目コミ出し

260手完  白半目勝ち

                                      高野圭介 観戦記