有終の美を飾った夏奈子の夏

全日本高校囲碁選手権大会で、団体戦は5位。個人戦は銅メダル3位。

共に驚嘆に値する成果である。お見事と言うより賞賛のしようがない。


bronze medal

ーー週間碁2013年8月5日号より取材ーー
                                      高野圭介

稀有の連覇へ  
夏奈子さんはこの春、全国選抜優勝の上、春夏の連覇に挑戦している。
しかし、この世にどのようなスポーツでも、連覇を成し遂げたのは誠に稀有。

相手もそのように心構えで来るだろうが、
当方もしかるべきストレスから逃れることは出来ない。
実力以上にこのハンディをどう乗り越えられるか??

夏奈子さんは銅メダルで壇上に上がった!




もうひとりの優勝候補だった倉科夏奈子さんは三位入賞を果たした。
「準決勝は自分の碁が打てなくて・・・。悔いが残る負け方です。
でも、気持ちを入れ替えて、三位決定戦を勝てたのが良かったです」

 

 武闘派

夏奈子の碁

 
 
私は大会に臨み、夏奈子さんに確信を持って檄をトバした。

 武闘派・夏奈子の碁
                                  高野圭介

夏奈子さんは全国優勝する!

私はいよいよその確信を深めています。
夏奈子さんの強靱な碁の根拠なるものをここに提示しましょう。

1.誰も到達できない独特・武闘派の棋風を展開する。
  並の総花的棋力では突出したものは構築できない。

2.ヨミが深く早く正確の三拍子揃っている。
先の先、その先のヨミ比べには比肩する者はいない。

3.石の死活・詰碁に強い。ねじり合う力はとりわけ強い。
「ヨセも力なり」の諺の通り、ヨセは力でヨセるもの。

4.常に盤中に目を回らせて、神経が行き届いている。
手どころ、形勢判断などに、碁盤を広く使っている。

5.なかんずく、盤の中央の戦いに絶対の威力を発揮する。
碁が高度になればなるほど、中央が決戦場なので。

6.勝負に賭ける粘りと度胸・根性など精神力が抜群である。
どんな強敵にも勝機を見いだして打開していくだろう。

 


 
自分の碁を
直前の激
 
闘力満ちあふれている夏奈子さんが、下手に布石で満を持したら、
相手も満を持して序盤が終わる。つまり、
夏奈子さんの戦う場が限定されてくる。これが怖い。

臆せず、夏奈子流一本槍に徹して自分の碁を打ち切ろう!。


 

松本蟻ヶ崎(長野県)の主将・倉科夏奈子さんは春の大会の優勝者。

副将の万以子さんは妹で、
「たぶん同じくらいの強さですが、負けると悔しいので、
二人では打ちません。」
と姉妹揃って笑う。

優勝候補だったが、藤村女子(東京)戦で、万以子さんが敗れる。
「終盤に石を取られて投了した」そうだが、
勝った塩田瑠美さんは「私の方が悪かった」と振り返っている。

(注:当の塩田さんはその後も連勝して優勝に貢献している)

万以子の出番だ!
万以子さんもよう頑張りました。お目出度うございます。 
さあ、今からは万以子の出番だ!