人なつっこい新雅さん

高野圭介 vs  九子 中村敬一(新雅さん)

                                               高野圭介 自戦記

2007.10.15 於 八丈島・棋羅
182手完 白中押し勝ち



懐かしい
島の方々


久方ぶりの新雅さんと奥さんに接していたら、
いろんな人がよぎってきた。

(奥山憲春こと)ノリハル校長が勲五等瑞宝章を頂いたとの
信書が今なお私のところにある。

他に懐かしい方々は、船頭のキッちゃん、斎木校長、
(奥山日出男こと)ヒデオ町長、(折田稲男こと)
イネちゃん、(某・國三郎こと)片眼の國さん・・・

今も壮健なのは日出男町長ぶらいで、
ほとんど亡くなってしまった由。





新雅さんの述懐


「私は長い間碁を打っていません。
一時は初段の人にほとんど負けなくなったので、
初段を認めてくれと、言ったが、
(笹本之弘こと)ユーキさんが認めてくれなくて、
初段が名乗れなかったので、残念だったよ。

だって、八丈では大会で優勝しないと
昇段できない仕組みだったから、
中華料理のコックをやっていた私は忙しくて、
碁会には出られなかったんだから」


九子敷いて


記念に一局打つことになった。
新雅さんは黙って九子敷いて座っている。

余り勝ちたいと言うのではなく、打ち始めた。

白69で、72に打つべきを、黒に絶好のチャンスを作った。
黒70で72ぐらいでも、白投了の局面。
新雅さんにはヨミの欠落があった。
筋らしいワリコミ。そして、黒は取られた。

この図、家田隆二八段は
「手筋のお勉強に使いたい」と言われた。


石が
筋へ筋へと来る


しかし、これからの黒は素晴らしかった。
その後、黒は攻め気充分、石が筋へ筋へと来る。

白はいつ潰れてもおかしくない局面が続く。

これには参ったが、
最後までやっとシノギ切った一局となった。